運命のボタン(2009年、アメリカ)

【監督】
リチャード・ケリー
【出演】
キャメロン・ディアス
ジェームズ・マースデン
フランク・ランジェラ
ジェームズ・レブホーン
ホームズ・オズボーン
サム・オズ・ストーン
セリア・ウェストン

感想(2014年4月19日、TV録画にて鑑賞)

神秘的な雰囲気のあるSFスリラー。
リチャード・マシスンの短編小説を原作としていますが、展開と結末が異なるようです。

※以下の感想でネタバレしてますのでご注意くだちい。


舞台は1976年のヴァージニア州。アーサーとノーマの夫婦はウォルターという幼い息子を育てながら慎ましく暮らしていました。
ある朝、差出人不明の箱が玄関に届けられ、中から赤いボタンが付いた謎の装置が出てきます。「夕方にお伺いします」と書かれたメモも。

夕方、家にやってきたのは顔の左半分がえぐれるように焼けただれている老人で、スチュワードと名乗る老人は謎のボタンについてとても信じられない話をし始めます。
その話とは、「ボタンを押せば100万ドルを手に入れることができるが、夫婦の知らないどこかの誰かが死ぬことになる」というのです。

夫婦は最初は半信半疑でしたが、迷った末にボタンを押してしまいます。
しかしそれは二人が予想だにしなかった事態の始まりでした…。



あらすじだけは知っていて前から気になっていたんですが、思っていたほどではなかったですね。
というか、SFサスペンスとかスリラーのジャンルではつまらない方の作品だと思います。

「自分の幸福のために他人を不幸にできるか」「知らない誰かの命と、目の前の大金とどちらがだいじか」という問いはとても刺激的なものだし、人間心理を率直に描いた作品はむしろ好きだと思うんですが…。

結局は、老人スチュワードの正体というのがSFとはいえあまりにベタというか…。
高い知性を持つ宇宙人が、地球人の利他主義を試すために考え出したテストなんですよね。

はっきり言って余計なお世話以外のなにものでもない(笑)
人類の文化レベルを調査するために、結果として人死にまで出してるんですから、宇宙人さんはさぞや高尚な目的のためにやってるんでしょうね(笑)
でも、どの夫婦もボタン押してしまうため調査は終わらないみたいです(笑)

そもそも、目の前に大金をぶら下げて…って時点でけっこうズルいですよねこのテスト。
「どこかの誰かが死ぬ」と交換条件にするなら「大金がどこかの誰かから振り込まれる」くらい怪しいものじゃないと(´・ω・`)
それにしたって、自分たちにリスクはまったく無いのだから、とりあえず押しますよそりゃあ…。「どこかの誰かが死ぬ」なんてのがきっとウソだと希望を抱きながらね…。

これって、もしかして利他主義云々ではなくて、目の前に出されたお金は信じて、目に見えない「知らない誰かの死」は信じないというだけの話なんじゃ?
目の前に存在するものと、話だけで確認できないもの、普通ならどちらを信じるの?という話。
えっ高尚な宇宙人さんはどんな話でもとりあえず信じるんですか?それは、なんだかすごく…高尚ですね!(笑)

終盤では、さらにとんでもない二択を迫られる夫婦。
ここまで来るともはや宇宙人の好奇心のために命を弄ばされてるとしか思えません。



見所を挙げるならば、キャメロン・ディアス演じる妻ノーマが教師の職をクビになったり、ジェームス・マースデン演じるNASAに勤める夫アーサーが宇宙飛行士の選考から外されたりして、落ち目の時期に狙ったようにスチュワードがやってくるタイミングですか…。序盤は面白かったです。
それからスチュワードのグロテスクな顔は、最後まで見慣れることがなかったです。

そして、ボタンを押した直後、スチュワードが「この装置はリセットして次の夫婦に届ける」と言うシーン。
この一言で、アーサーとノーマの頭に「次のカップルがボタンを押せば死ぬのは自分たちかもしれない」という考えが浮かぶんですね。

世界中の人にとって自分たちは「知らない誰か」にすぎない…。
つまり自分たちは誰かがボタンを押すたびに死ぬ危険に晒されている…。
ボタンを押して初めてそのことに気付くんですね。

こういう皮肉の効いた所は良いんですけどね…。
でもやっぱり、全部宇宙人が仕組んだことというのがどうにも…。