前夜

前夜
石川智晶
Material World, 2014
紹介動画→https://www.youtube.com/watch?v=hQ7zTuQ6Kic

1. 青の中の青
2. 私は想像する
3. 来世で会いましょう
4. Natural
5. 前夜

*感想

久しぶりの音楽レビューは、今年3月に発売された石川智晶の5曲入りミニアルバム「前夜」です。

アニソン界では良く知られた人で、経験に裏打ちされた確かな歌唱力と独自の世界観を持ったアーティストです。
近年はゲーム「戦国BASARA」から派生した舞台演劇用の楽曲も書いてるそうで、このミニアルバムでは「青の中の青」と「前夜」が舞台用の提供曲です。

2曲目の「私は想像する」は、昆夏美へ提供した、アニメ「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」のOP曲です。
セルフカバーというよりもリミックスに近いですかね。
「そのままの状態ぃ~~♪」のビブラートが物凄いです。

3曲目の「来世で会いましょう」は歌詞が好きですね。
「生きてるうちは屋根を探して待つこともある」
「まるで別人のようにいくらだって生きたらいいじゃない」
「こんなうたかたの世界は辻褄が合わなくていいじゃない」

これは生きていくことの辛さを認めた上で、何かを捨ててでも強く生きていくことを歌っているんですね。
「来世で会いましょう」という言葉は現世に絶望したのではなく、「まるで一度死んで生まれ変わったかのように生きたっていいんだ」ということ。
石川智晶が歌うからこそ説得力が出てくる人生観です。

もともと濃い世界観を持つアーティストでしたが、近年は特に濃くなってますね。
コーラスも重厚になってきてます。
このミニアルバムではその世界観を5曲に濃縮したような印象ですね。
初秋に出る予定の新しいフルアルバム「私のココロはそう言ってない」も非常に楽しみです。