ゴジラ(1954年、日本)

【監督】
本多猪四郎
【出演】
志村喬
河内桃子
宝田明
平田昭彦
堺左千夫
村上冬樹
山本廉
鈴木豊明
馬野都留子
岡部正
小川虎之助
手塚克巳
橘正晃
帯一郎
中島春雄
笈川武夫
林幹
恩田清二郎
菅井きん
榊田敬二
高堂国典
東静子
鴨田清

感想(2014年6月8日、DVDにて鑑賞)
(2014年6月21日、MOVIX仙台にて60周年記念デジタル・リマスター版鑑賞)

日本の怪獣映画の元祖。
ハリウッドの新ゴジラ公開が近いということで、今まで見たことのなかった1954年の初代ゴジラを見てみました。
というか、ゴジラ映画自体まともに見た記憶がなくて、辛うじて思い出せるのがモスラが国会議事堂に繭を作っちゃうシーンだったりします。

ちなみに、最初DVDをレンタルしてきたんですけど、その後でデジタル・リマスター版が特別上映されるという情報を知り、ちょっと早まったかな、と思いました。
結局、自宅のテレビでDVD鑑賞し、映画館でリマスター版も観ました。



日本の近海でいくつもの船舶が次々と原因不明の沈没をした。
奇跡的に生き残った者の話では、海中から現れた巨大な怪物に襲われたという。
暴風雨の夜、遭難地点に近い大戸島の集落が巨大な生物に襲われ、国会は古生物学者・山根博士を始めとする調査団を派遣した。
一行は、恐ろしい咆哮を聞くとともに、山の向こうから頭をもたげた巨大な怪獣の姿を目にし、その怪獣は悠然と海中へと戻っていくのだった。

東京に戻った山根は、その怪獣を<ゴジラ>と命名し、「ジュラ紀の生物が海底の洞窟に身を潜めていたが、水爆実験によって棲み家を追われて出現したのではないか」という見解を語る。
それを受けて政府はゴジラ抹殺の計画を立てるが、ある夜、東京湾に現れたゴジラは防衛隊の攻撃をものともせずに上陸し、街を蹂躙するのだった……。

ゴジラを倒す術はあるのか……。



途中までかったるいんだけど、終盤でいきなり面白くなるゴジラシリーズ第1作。
ゴジラの登場、主人公たちのドラマ、ゴジラの破壊活動……中盤まではこれらが全然楽しめなかったんですが、ある秘密が明かされた後の終盤は、主人公たちのドラマが活きてくるし、まさかの最後が待っているしで、なかなか面白かったです。
感動的なクライマックスの劇伴などは録音こそ劣りますが、現代の映画のサントラと変わらない印象を受けました。

古臭い映画というのは間違いなくて、ゴジラの造形はもちろん、役者の顔も服装もセリフもだいぶ古いんですが、80年代生まれの私にはむしろ目新しく映りました。
50年代の和洋折衷の町並みとか、役者のセリフも独特で面白かったです。
「水爆の洗礼を受けながらもなおかつ生命を保っているゴジラを、何をもって抹殺しようというのですか」

モノクロの時代から怪獣映画という発想があったことそのものにも無知ゆえに驚きましたし、ゴジラのテーマが第1作で既に完成してる(冒頭からいきなりメインテーマ!)ことや、ゴジラが火を吐く時に背ビレが光る描写とかもこの1作目で既にあったんですね。

この作品をDVDで見て映画館で観るまでの間に、2001年に作られた「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(GMK)を見たんですが、ヘタすると近年の作品の方が古臭さを感じるかも。2001年を経験しているだけに。
1作目は見たこともない時代なので、「昔はこうだったんだな~」って素直に信じられるんですよね(笑)



さて、デジタル・リマスター版はどの程度良かったかですが、正直、家のテレビと映画館のスクリーンをどう比較したらいいのか分かりません(笑)
もともと私は映画館で観たほうが絶対良いに決まってる!って考えの人間なので、やはり映画館で観れたのは良かったです。新ゴジラの前売券持ってたおかげで500円と安かったですし。

ただ、2週間前に同じ話をDVDで見ちゃってたのは良くなかったですね。
やはり何度見ても同じ内容なわけで、もう少し期間をあけることができたら飽きずに観れたと思いました。

ちなみに、前列にいたお父さんと小学校低学年くらいの男の子の家族連れ、男の子は特にゴジラを怖がる様子もなく、中盤あたりでは「まだ終わらないの?」などと完全に退屈していた様子でした。
ゴジラって恐怖の象徴じゃなかったんか……時代か……(TдT)