GODZILLA ゴジラ(2014年、アメリカ)

【監督】
ギャレス・エドワーズ
【出演】
アーロン・テイラー=ジョンソン
渡辺謙
エリザベス・オルセン
ジュリエット・ビノシュ
サリー・ホーキンス
デビッド・ストラザーン
ブライアン・クランストン
カーソン・ボルド
リチャード・T・ジョーンズ
ヴィクター・ラサック

感想(2014年7月27日、MOVIX仙台にて鑑賞)

日本が世界に誇る特撮怪獣映画「ゴジラ」をハリウッドのCG技術で再現した新ゴジラ。

巷では、レジェンダリー・ピクチャーズ作品ということで「レジェゴジ」とか、ギャレス・エドワーズ監督作品ということで「ギャレゴジ」とか呼ばれてるようです。(統一しろ!)
おそらく、今後レジェンダリーが手がけていくGODZILLA作品は「レジェゴジ」と呼ばれ、その中でもギャレス監督が撮った作品が「ギャレゴジ」と呼ばれることになるのかな……。



アメリカ海軍爆発物処理班の隊員であるフォード・ブロディは、日本に暮らす父親ジョーが警察に逮捕されたという知らせを受け、妻子をサンフランシスコに残して日本にやってくる。
ジョーは立入禁止区域であるジャンジラ原子力発電所の跡地に不法侵入したのだ。
ジャンジラ原発はジョーと妻の職場だったが、15年前に起こった謎の振動がもたらした事故により倒壊、妻サンドラはその事故で帰らぬ人となっていた。

ジョーはフォードと共にかつて住んでいた家に残されたデータを回収するべく立入禁止区域へ再び侵入するが、パトロール中の警備員に見つかってしまう。
原発跡地に建造された研究施設に連行された2人は、そこで思いもよらぬ光景を目の当たりにする……。



私は初代とGMKと、ローランド・エメリッヒが監督したエメゴジ、あとモスラをうっすら覚えている程度のライトユーザーなので、ゴジラについてはほとんど無知です。
つまり一般の人に近いんじゃないかと。
これから書くのはそんな私の感想になります。

海外や日本のゴジラファンの間では絶賛されている本作ですが、個人的には何か物足りない内容でした。
公開前からあれだけ騒いでいたのにこんなもんか?というのが正直な感想です。

映像面では文句のつけようもありませんでした。
ハリウッドが誇るCG技術で蘇ったゴジラ。少しばかり日本のゴジラとシルエットやサイズが違いますがそれもまったく気になりません。

シネコンを揺らすような咆哮と、終盤の大迫力のバトルも一聴/一見の価値あり。
私はそれほど意識しなかったのですが、ゴジラを見上げるようなアングルのカットが多く、臨場感を生み出していたとか。

ゴジラはアメリカ映画が一番だと世界的に認知されるんじゃないかという危惧の念を抱いてます。
10年後、20年後、ゴジラはアメリカが生んだキャラクターということになってたりしないかと……。
それほどの説得力が映像にはありました。



ただ、ストーリーには見るべきものは無かったと思います。
人間ドラマははっきり言って希薄。
泣けるエピソードやグッとくるカット、いろんな物語があるんですが、そのどれにも感情移入できませんでした。
咀嚼する間もなく次々とまくしたてられた印象があります。

そもそも脚本が弱いのかもしれないですね。
例えば、主人公がハワイで少年を助けるエピソードは、サンフランシスコではまったく効いてこないし。
例えば、芹沢博士と米軍司令官のやりとりだって、主人公の行動にはまったく絡んでこないですからね。
主人公と父親の確執についても、こういうのはアメリカ映画の得意技のはずなんですけどね。(ギャレス監督は英国人だそうですがw)
とにかく、一貫して訴えかけるテーマがないんです。

もちろんゴジラの姿を活写できれば、この映画はとりあえず成功なのかもしれません。
しかし、この映画、一応ゴジラのリメイクでありリブートであるくせに、つまりハリウッド版ゴジラのお披露目であるはずなのに、ゴジラよりも先に別の怪獣が登場してしまうんですよね。
ムートーというハリウッド版オリジナルの怪獣です。

このムートーが暴れる姿を描き、それを自然の摂理から止めようとするゴジラを描くという感じになってるんですが、やはり最初はゴジラが暴れる姿を描いて欲しかった。
結局、ムートーにつられてゴジラが出てきた格好になっており、ゴジラがなんだかよく分からないけど結果的に味方してくれてるという展開なんですね。

これではゴジラが「正義の味方」なのか「調停者」なのか「超自然的な存在」なのか、見る人によって意見は分かれるだろうし、実際そのどれでもあるのかもしれませんが、最初くらいはゴジラと人類の立場を明確にして欲しかったんです。
なんだか分からないけどとりあえず味方してくれている……これではちょっと説得力がないかと。

ゴジラやムートーって怪獣ですから、当然自分の意思を言葉で伝えられません。
その分登場人物たちが怪獣を分析したり評したりして、怪獣の気持ちを推察しなければならないんですが、そういった台詞も少なく。
軍の司令官は出てきても、米国市民がゴジラをどう捉えたか、政治家やホワイトハウスはどう見たか。
当然そこには賛否両論あって主人公も葛藤したりするのが王道だと思うんですけどね。
ただただミッションを忠実にこなそうとしてる主人公は、ゴジラを見て何も思わなかったんですかね。



そんなわけで、ゴジラに詳しくない一般人からすれば、よく分からない映画でした。
過去の日本のゴジラ作品と比較したりしながら見るのが内容の補完もできて良いのかもしれません。

ただ、ゴジラファンの中でもひとつひとつの描写については意見が分かれているようですね。
結局は、自分の持っている「ゴジラ像」にどれだけ近いか、ということですかね。


ちなみにコンセッションで売ってたゴジラのドリンクカップ、繰り返し使えるんで家での映画鑑賞時に重宝しそうです。