ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!
(1999年、アメリカ)

【監督】
アレクサンダー・ペイン
【出演】
マシュー・ブロデリック
リース・ウィザースプーン
クリス・クライン
ジェシカ・キャンベル
マーク・ハレリック
モリー・ヘイガン
デラニー・ドリスコル
フィル・リーヴス
コリーン・キャンプ

感想(2014年9月8日、DVDにて鑑賞)

ある高校で教鞭をとるジムには、一人だけ苦手とする生徒がいた。
それは優等生の女生徒トレイシー。
学業も生活態度も模範的な生徒だったが、キャリアのために一番になろうと執着する彼女を、ジムは好きになれなかった。

そんな優秀だがいけ好かないトレイシーが生徒会長選挙に立候補してきた。
生徒会顧問として選挙を管理するジムは、キャリアのためだけに会長の座を狙っているトレイシーの当選を阻止しようとする。
ジムは、人気者のアメフト部員・ポールをそそのかして対立候補に祭り上げるが……。



これは映画ファンのブロ友さんが褒めていた作品で、タイトルに反して面白そうなので見てみました。
まあ、まず邦題テキトーすぎでしょう…。
「ハイスクール白書」って…(笑)「優等生ギャル」って…(笑)

邦題からは軽ーい感じを受けるんですが、まあ実際軽めのブラックコメディなんですが、ただ軽いだけじゃなく、人間心理や人生の真理を突いてくるような作品です。

教師って優秀な生徒と赤点取ってる生徒、どちらが好きなんでしょう。
やはり授業内容を熱心に聞いて努力する優等生でしょうか、それとも手のかかる劣等生の方がやりがいを感じるでしょうか?

それぞれ好き嫌いあるでしょうから一概には言えませんが、優等生だからといって必ずしも教師から好かれるわけではない。
むしろ、優等生であろうと努力する姿が鼻について仕方がない時もあるんですよね。

この映画に出てくる女生徒トレイシー(邦題でいうところの優等生ギャル)は、どうしようもなく鼻につく女なんですね。
例えば、様々な校内活動に参加するのは内申のためにやってるとしか思えない、授業中積極的に手を挙げるが、指そうものなら得意気に知識をひけらかす、生徒会長への立候補も学校改革のためではなく、将来履歴書に書く項目を増やすためなんですよね。

行動のみを評価すればとても素晴らしいことをしているし、そのための努力もしている。
しかし、動機が不純だとどんなに善行をしても評価されない、それどころか逆に嫌われてしまうというのが面白いところです。

あるいは、既に調子に乗っているやつをそれ以上調子づかせまいという心理でしょうか。
ラストの、積極的に挙手する女の子を頑なに無視する様子は、この場はお前のためにあるわけじゃないんだ、という風にも見えました。
ジムの気持ちはなんかすごいよく分かります(笑)

ただ、社会的には推奨されていたり模範とされているものが、個人レベルだと嫌悪の対象になり得るというものすごい皮肉でもあります。
むしろ、エリートになるために努力しちゃダメだ、とまでは言ってませんが、じゃあどんな風にエリート目指せばいいの?ってとこまでは描いてなかったんで、ただムカつく生徒がいた、いるいるーこういう子いるよねーって感じの内容なのかもしれません。

とにかく、教師の包み隠さない人間性と、調子乗ってるムカつく女の攻防が面白かったです。
逆に、女生徒のスキャンダルや、教師の不倫や、対立候補のレズビアン設定や、蜂に刺される…などのシーンがムダな肉付けに思えました(笑)