グレートデイズ! 夢に挑んだ父と子
(2013年、フランス)

【監督】
ニルス・タヴェルニエ
【出演】
ジャック・ガンブラン
アレクサンドラ・ラミー
ファビアン・エロー
ソフィー・ドゥ・フュアスト
パブロ・ポーリー
グザヴィエ・マチュー

感想(2014年10月13日、MOVIX利府にて鑑賞)

車椅子の生活を送る17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰ってくる父ポールとの再会を楽しみにしていた。
だが、長年息子の世話を妻に任せ続けてきたポールは、息子とどう接すればいいのか分からない。

そんな父に、ジュリアンはとんでもない提案をする。
トライアスロンの最高峰、アイアンマンレースへ親子で出場するというのだ。
若い頃にトライアスロンに出場し、その過酷さを知っているポールは、息子の提案を「ムリだ」と一蹴するが……。



基本的に感動作であることを押してくる映画ってあまり観ないんですよね。
疑り深い性格なもので…(笑)

でもこの映画は何かのきっかけで予告編を見たら、シガーロスの曲が流れてきて…。
「ホッピポーラ」でしたっけ?実写版「宇宙兄弟」でも使用された楽曲。(好きだけどタイトル知らないw)
ずるいなー、シガーロスはズルいよー、と思いながら映画館へ観に行きました。

まあ、父と息子が困難な夢に挑戦するという物語で、無難に良い映画ですし、案の定、シガーロスが流れてきた所でグッときました。

でも一方で、これフィクションなんだよな?と思いながら冷静に観てしまったんですよね。
感動できる作品だったのに、何故かフィクションかノンフィクションか、そんなところにこだわってしまって映画に浸れなかったんです。

車椅子の障害者の息子と、父親がトライアスロンに挑戦するという物語の骨子は、実在のアメリカ人親子<チーム・ホイト>の逸話をもとにしています。
しかしこれはあくまでその実話にインスパイアされただけで、チーム・ホイトの物語ではありません。

劇中では、実在のチーム・ホイトを引き合いに出して父親を説得するシーンもあるくらいで、つまりこの映画自体は間違っても「感動の実話」ではないわけです。
劇中の親子は、チーム・ホイトにインスパイアされて生み出された架空の存在、擬似チーム・ホイトと言ってもいいかもしれません。

つまり何が言いたいかというと、誰もが感動する映画化にうってつけの実話があるのに、それと同じ話をフィクションで作ったのはなんのためか?それで良かったのか?…ということです。

劇中で、チーム・ホイトへの言及が出て来た時に、それで映画から現実に引き戻されるか、あるいはこれはチーム・ホイトの物語でもあるんだ…と逆に入り込めるか、それは人それぞれのような気がします。
少なくとも私は物語の展開に感動しつつも、最後まで「でもこれフィクションなんだよな…」と思いながら観ました。

別に、感動作がすべて実話じゃなきゃいけない理由はないし、作り話でも感動はできます。
でも、もう既に実話で存在する話を似たような感じで作り話にする意味が分からないですね。
むしろウソでもいいから実話だと言ってほしかった…。

私は「奇跡の実話」みたいなキャッチコピーの映画は基本的に敬遠するんですが、実話じゃないことでこんなにモヤモヤすることもあるんだと分かりました。

映画自体はさわやかですのでオススメです。