FRANK フランク
(2014年、イギリス/アイルランド)

【監督】
レニー・アブラハムソン
【出演】
マイケル・ファスベンダー
ドーナル・グリーソン
マギー・ギレンホール
スクート・マクネイリー
カーラ・アザール
フランソワ・シビル

感想(2014年11月19日、フォーラム仙台にて鑑賞)

キーボードと作曲を趣味にする青年ジョンは、ひょんなことからあるバンドに加入することになる。
バンドの中心人物であるフランクは、24時間ずっと奇妙な被り物をしている謎めいた男だったが、メンバーはそんなフランクに尊敬と信頼の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力を持つフランクに惹かれていく。

そんなある日、インターネットに投稿したバンドの動画が話題を呼び、アメリカの大手フェスに招かれる。
しかし、そのことをきっかけにフランクの調子がおかしくなってしまい、バンドは崩壊の危機に直面する……。



ポスター見た瞬間に鑑賞を決定する映画がたまにあります。
この「FRANK」もそうでした。

なんだこの被り物は、面白いじゃないか!
…その勢いのまま映画館へ。(実際は地元で上映されるまでけっこう待ちました)

フランクの役にはマイケル・ファスベンダー。
でもけっこう最後の方まで本当に顔出ません…。
喋るタイプのゆるキャラ(?)ですが、喋ってなかったら本当に誰でもいいでしょうねこれ。

物語は、クソな曲しか書けない青年ジョンの視点から描かれます。
このジョンを演じたのはドーナル・グリーソン。
最近「アバウト・タイム」で見たばかりです。

で、個人的には、フランクの魅力云々よりも、フランクのカリスマに惹かれるジョンの変化というのが見ものでした。
早い話が、だんだん道を間違っていくわけなんですが、その間違いのピークにいる瞬間のエキサイトしてる表情が印象的でした。ああ、こういう演技もする俳優なんだな…と。

バンドマンが主人公ということで、音楽映画としても見れる内容だと思います。
でも、楽曲自体はとてもクレイジーで興味深いサウンドなんですが(テルミンとか出てくるし)、それを最大のウリにはしてなかった感じなんですよね。
フランクたちの音楽をあまりじっくりと聴かせてくれませんでした。

まあやはり、評価されてるのも音楽ではなくファスベンダーの演技(?)ですし、音楽映画でありながら音楽には頼ってない印象。
というか、このキテレツで美しい音楽は、残念ながら多くの観客には「変な音楽」としてしか聴こえないでしょうね。

ちなみにフランクのモデルは、実在したコメディアン、フランク・サイドボトムだそうです。
ただし、劇中のフランクは、あくまでカリスマを備えた危うい芸術家といった感じのキャラクターです。