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ショコラ (2000年、アメリカ)

【ジャンル】
ヒューマン・ドラマ/食べ物映画
【監督】
ラッセ・ハルストレム
【出演】
ジュリエット・ビノシュ (ヴィアンヌ)
ヴィクトワール・ティヴィソル (アヌーク)
ジョニー・デップ (ルー)
アルフレッド・モリーナ (レノ伯爵)
ジュディ・デンチ (アルマンド)
キャリー=アン・モス
レナ・オリン
ピーター・ストーメア
ヒュー・オコナー

あらすじ

フランスの小さな村。伝統と規律を重んじるレノ伯爵の意向で因習が根強く残るこの村に、ある日、北風とともに一組の母娘がやってきた。チョコレート・ショップを開き、一人一人の希望にあったチョコレートをピタリと当てる母親ヴィアンヌ。しかし、折しも村は断食の期間であり、教会のミサにも来ないヴィアンヌ親子に対してレノ伯爵は反感を募らせ……。

感想 (2013年1月1日、TV録画にて鑑賞)

せっかくリクエストをふってもらったのに、レビューするのをしばし忘れていました(・ω<)テヘペロ
その結果、バレンタイン後のレビューになってしまうという惜しいことに……。
まあ、世の男性諸君はいただいたチョコレートまだ食べきれてないよね?まだバレンタイン気分だよね?
……というわけで、今回は甘~いチョコレートが何度も出てくる映画「ショコラ」です。


舞台はフランスのとある田舎。
そこは信仰に篤い伯爵が治める閉鎖的な村で、村人たちは静かに暮らしていました。
そこへやってきたヴィアンヌとアヌークの母娘。村人たちから好奇の目を向けられる中、チョコレートの素晴らしさを人々に伝え、やがて村人たちの心を解きほぐしていきます。
しかし、それが気に食わないレノ伯爵はヴィアンヌのチョコレート・ショップを悪魔的で堕落したものだと説いて、村人たちに母娘と関わることを禁じます。

まあでもしかし、レノ伯爵の影響力ってちょっと鈍ってる感じもあったのかなあ……。
もとより権力に従いそうにもないアルマンド婆さんや、夫の暴力に耐えかねてヴィアンヌの家へ逃げてきたジョゼフィーヌとか、ヴィアンヌ母娘を受け入れてくれる人たちもいたりして……。
そんな日々を送るヴィアンヌたちの前に、ある日ジプシーの一団が流れ着きます。


監督は「サイダーハウス・ルール」や「HACHI 約束の犬」を手がけたスウェーデン出身のラッセ・ハルストレム。
人間ドラマに定評ありの監督なのでしょうか?今作はとてもハートフルな一本に仕上がっています。
ちなみにジョゼフィーヌを演じたスウェーデン女優レナ・オリンは監督の奥さんです。

主演は、フランス人女優・ジュリエット・ビノシュ。
信仰と因習に支配される村にあって、自立した活発な女性を演じます。
だんだん可愛く見えてくる不思議な魅力の持ち主ですね。

共演には、堅物すぎる伯爵役がハマっていたアルフレッド・モリーナ「スパイダーマン2」など)、
ちょっと下品なおばあちゃん役もキッチリこなすジュディ・デンチ(「007」シリーズなど)、
教育ママっぷりがちょっと恐かったキャリー=アン・モス(「マトリックス」シリーズなど)、
そして遅れてきたジプシー・リーダー、ジョニー・デップ(言わずもがな)!
改めてキャストを見ると有名なメンツが地味に揃ってますね。
フランス・スウェーデン・イギリス・アメリカ・カナダと、ワールドワイドなキャスティングでもあります。


物語自体は安心して見れる内容で、言っちゃなんだけど、序盤で結末が分かる系のお話。
いつ伯爵がチョコを口にするのか、そればかり待っていたような気もします(笑)
ちょっと驚く事件も起こりますが(それが起こった原因がまた驚きなんですが)、基本的には閉鎖的な村にヴィアンヌが入っていったことで村が少しづつ良い方向へ変化していく、というまあ…ありがちな物語です。

いろんなものが対比で描かれていて、例えば、断食期間とチョコレートの関係なんかは面白い舞台設定だと思います。
他にも、いつも小ぎれいにしている伯爵と、伝染病をもたらすと陰口を叩かれるジプシーたちは、清潔と不潔の対立を。
妻に暴力を振るう夫は男尊女卑への批判だし、そんな生活から逃げ出した妻が自分の意志で考えるようになる姿は女性の自立を描いていますね。

結局、どれもこれも「抑圧と解放」というキーワードでくくることができるような気がします。
宗教・伝統・規律、そういった人々を縛りつけるものから解放された時、村人に笑顔が戻ってきます。
そして、解放された村でも宗教は必要とされていたし、規律の権化である伯爵の権威が地に落ちたわけではないんですよね。
単に否定するだけではない所が、ハートフルな印象の裏付けなのかもしれません。

ただしラストでは、放浪者として生きてきたヴィアンヌが村を出て行くか否かの場面である決断をします。
「抑圧からの解放」がテーマなら、当然ヴィアンヌはさらなる自由を求めるはずですが、果たして結末は……。

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期待していた伯爵がチョコレート食べるシーンは、ちょっと大げさなまでの演出でした。
伯爵、普段からどんだけ抑圧されてたんだっていう……(笑)
でも、そのあられもない姿がアルフレッド・モリーナにピッタリでした♪