探偵はBARにいる (2011年、日本)
【ジャンル】
ミステリー/ハードボイルド
【監督】
橋本一
【出演】
大泉洋 (俺)
松田龍平 (高田)
小雪 (沙織)
西田敏行 (霧島敏夫)
田口トモロヲ (松尾)
波岡一喜 (佐山)
竹下景子 (近藤百合子)
石橋蓮司 (岩淵恭輔)
松重豊 (相田)
高嶋政伸 (加藤)
あらすじ
最北の歓楽街、札幌・ススキノ。この街を知り尽くした私立探偵<俺>は、いつものように行きつけのバー、ケラー・オオハタで相棒の高田と酒を飲んでいた。そこへ<コンドウキョウコ>と名乗る女から仕事の依頼が舞い込む。ある人物に簡単な質問をするだけの単純な依頼だったが、その仕事の直後に<俺>は謎の男たちに拉致され、雪に埋められ、半殺しの目に遭ってしまう……。
感想 (2013年5月12日、地上波にて鑑賞)
東直己の「ススキノ探偵シリーズ」を原作とし、「相棒」シリーズの主要なスタッフが結集して制作された探偵ドラマ。
最新作の公開に合わせてTV放映されたのを見てみました。
北海道は札幌・ススキノを舞台にした物語で、主演は北海道出身の大泉洋。
相棒役を務めるのは東京生まれだけどなんとなく北国っぽさを醸し出してると思う松田龍平。
ゲスト・ヒロインとして小雪。さらに西田敏行や高嶋政伸、波岡一喜、松重豊、田口トモロヲなどなど、個性派俳優が脇を固めます。
ある夜、行きつけのバーに入った一本の電話から探偵は事件に巻き込まれていきます。
笑いあり、涙ありの邦画らしいサスペンス映画になっていたかな……と思います。
少々過激な内容なのでPG12指定ではありますが、基本的に娯楽映画。
ハードボイルドな感じも漂ってますが、あくまで「感じ」だけで、主人公<俺>のモノローグからはハードボイルドを気取っている三枚目の臭いがプンプンしていて笑いを誘います。
こういうのをネオ・ハードボイルドって呼ぶのかなあなんて思ったんですが、この「ハードボイルド」とか「ネオ・ハードボイルド」って言葉は間違った認識だったり曖昧な定義だったりが広まっているらしいので、ここではハードボイルド「風」とだけ書いておきます。
というか、純粋なハードボイルドって今でもあるんでしょうか?
この映画のようにユーモアや主人公の弱さを描くのは昨今の映画などでは必須のようにも思うんですけどね。
この作品はオカマバーとかセクシーパブとか、そんな男の欲望もあけすけに出てくるから「ニューハーフ・ボイルド」なんてのがしっくりくるかもしれません(笑)
見所はけっこうドタバタのアクションですかねえ。
相棒の高田が普段は飄々としていながらも喧嘩になると滅法強い空手の師範代という役。
主人公<俺>と二人でススキノのヤクザやゴロツキらと一戦交える展開は、ベタだけれどそれなりに面白いですね。
雪埋めとかスノーモービルとか、ご当地ならでは(?)の描写も面白い。
あとは、脇役たちがみんな個性的で良い味出してる人ばかり。
前髪下ろして気持ち悪い笑みを浮かべる悪役を演じた高嶋政伸とか、巷の感想を見ているとけっこう皆さん最後まで気付いてなかったみたいですが。
あとサウナで密談するのが好きなヤクザを演じた松重豊とか……。その傍らでスーツで耐える舎弟とか……。
あと、不良たちを率いていた波岡一喜は「2」でも出番があるので覚えといて損はなし。
もちろん主役である<俺>を演じる大泉洋はハマリ役だし、態度のでかい相棒役の松田龍平も面白い。
この魅力あるコンビの活躍をもっと見たいと思う人は多いはず。
肝心のミステリーの部分ですが、僕はまんまと騙されたけど、終わってみるとな~んだあ……って感じ。
推理モノに慣れている人には単純でしょうね。
顔のわからない電話の女性の他に、若い女性がどこにいるんだっていう……。
あの人しかいないよなあ、っていう……。
それでも笑って泣いての邦画サスペンスですので、女を守れなかった主人公の悔しさと、女の悲壮な決意にはホロッと来るかもしれません。
結婚式のシーンはなかなかにぶっ飛んでいて名シーンでした。
なんとなく……極道の妻って感じがしましたけどね……(笑)
そういう人情味にあふれた作品ですので、そんなところも見所でしょうね。
以前、この作品を勧められたこともあったので、今回の地上波放送を見て最新作の鑑賞を決めました。
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