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キング・コング (2005年、アメリカ)

【ジャンル】
アクション・アドベンチャー/怪獣パニック映画
【監督】
ピーター・ジャクソン
【出演】
ナオミ・ワッツ (アン・ダロウ)
エイドリアン・ブロディ (ジャック・ドリスコル)
ジャック・ブラック (カール・デナム)
トーマス・クレッチマン (イングルホーン船長)
コリン・ハンクス (プレストン)
ジェイミー・ベル (ジミー)
エヴァン・パーク (ヘイズ)
カイル・チャンドラー (ブルース・バクスター)
アンディ・サーキス (キング・コング)

あらすじ

1933年、大恐慌下のニューヨーク。芝居小屋が突然閉鎖になり路頭に迷っていた喜劇女優のアンは、失敗作続きで出資者から見離された映画監督デナムと偶然出会う。彼は幻の島<髑髏島>で冒険映画を撮ることに賭けていた。最初はデナムの誘いに抵抗を感じたアンだったが、脚本が憧れのドリスコルのものだと知り、危険な旅へと出発する……。

感想 (2013年5月16日、DVDにて鑑賞)

1933年の映画「キング・コング」のリメイク作品。
監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでファンタジーの古典を見事に描き切ったピーター・ジャクソン。
本作では、古典映画のリメイクに挑戦して見事に成功させていますね。

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主演はナオミ・ワッツ。彼女が演じたアン・ダロウは最高に美しかったですね。
この人は30歳を過ぎてから注目を集めるようになった女優さん。「キング・コング」の撮影当時は37歳だったって知ってΣ(゚Д゚;エーッ!ってなりました。いや10歳は若いと思って見てましたよ……。
最近では「J・エドガー」とか最新作「インポッシブル」にも出てるようですが、もっと色々な作品を見てみたい女優ですね。
個人的には、ニコール・キッドマンとエイミー・アダムスを足して2で割ったような絶妙な感じ(笑)

ナオミ・ワッツの相手役は「戦場のピアニスト」でオスカーを獲ったエイドリアン・ブロディ。
アンが憧れる脚本家ジャック・ドリスコルを演じます。
序盤はいかにも脚本家っぽい、知的でひ弱なイメージなんですが、後半はコングに連れ去られたアンを救うためにジャングルに分け入っていくかっこよさ。
顔立ちがユニークな俳優で、アンを愛しそうに見つめる微笑がたまらなかったですね。

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ユニークといえばジャック・ブラックですか(笑)まあ今作はコメディではないので、真面目な演技でしたが。
金儲けのことしか頭にない映画監督カール・デナムを好演。
彼の存在は、何か余計なことをやらかすんじゃないか、という緊張をもたらしてました。そもそも<髑髏島>に行くこと自体が「余計なこと」で、その発案者が彼……(-_-;)
しかし、何をおいてもカメラとフィルムを守ろうとする姿勢は映画人の鑑では。


上記の3名が主要な登場人物になるんですが、これはピーター・ジャクソン監督の映画、脇役たちにも相応の見せ場が用意されています。

船員の一人ヘイズ(エヴァン・パーク)と、若い船乗りジミー(ジェイミー・ベル)の関係が良かったですね。
師弟であり、父と息子のようでもあり……。
無鉄砲な若者を諌めるベテラン船乗り……。中盤では彼らのドラマも描かれます。

あと、個人的にツボだったのが、気取った俳優を演じていたカイル・チャンドラー。
彼はもうなんか見事なまでに1930年代の二枚目俳優って感じでした。
でも、かっこいいのはカメラの前でだけ、っていうのもなんかそんな感じでナイスなキャスティングだったなー、チャンドラー。

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それから最重要人物(?)のキング・コングも忘れちゃいけないですよね。
中の人(モーション・キャプチャー)はアンディ・サーキス。この人は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや「ホビット」ではゴラムの中の人でもありました。近年では「猿の惑星:創世記」でもサルを演じてます。

コングの外側はWETAデジタルが制作。
迫力ある映像はもちろん、「猿の惑星:創世記」で見せた微妙な表情の変化などが既にこの作品でも見られます。

この表情の微細な変化が、この映画の主要なテーマを浮かび上がらせていて……。
アンがコングに「Beautiful」ってどういうことなのかを伝えようとするシーンがあります。
本能のままに生きるコングにも、美しさを感じる心があること……それが彼の表情を通して分かる。
精緻なVFXが可能にした名シーンだと思います。


物語はなんと3時間にも及ぶ超大作でした。この長さはさすがピーター・ジャクソンというべきか……(笑)
個人的には長い割に間延びした感じはなく、魅力的なエピソードがこれでもかこれでもかと畳み掛けてくる傑作エンタメだと思いました。

大きく分けて3つのパートから成っていて、序盤は大恐慌下のニューヨークからアンやデナムが旅立ち、<髑髏島>を探すパート。
この前半だけでもけっこうな人間ドラマが描かれるんですよね。
アンとドリスコルのロマンス、髑髏島に執着するデナムとそれに反発する船長たち……。そしてついに見つけた髑髏島で座礁の危機……。やっとの思いで上陸すると、そこでは原住民による血の洗礼が……。
コングに出会う前から人がバンバン死んでいくんですよね……。

開始から1時間くらいでようやくコングが登場します。
原住民たちが<トレ・コング>と呼んで畏れるものへの生贄にされてしまったアン。
深い森の中から現れたのは巨大なゴリラでした。
トレ・コングに森の奥へと連れ去られてしまったアン。ここから、彼女とコングの奇妙な交流、そしてジャングルに分け入った男たちの死の行軍が描かれていきます。

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で、この中盤に盛り込まれたエピソードがなかなか面白かったです。
髑髏島は巨大生物の島で、コングの他に恐竜の末裔や、巨大な昆虫などがウジャウジャいるんですよね。
コングとティラノサウルスのバトルはまさに怪獣映画だし、撮影隊が暴走する巨大恐竜と一緒になって逃げるシーンは圧巻の一言。

極めつけは肉食恐竜から逃げるアンがサイコーで、あのくどいまでのピンチの連続は途中で笑いがこみ上げました。
ティラノ、空中にぶら下がりながらも食欲が勝っているというね(笑)

上の恐竜からの逃走劇がユーモアたっぷりだったのに対し、下の谷底に落ちた男たちの運命はかなり悲惨なもので。
巨大昆虫や巨大なヒルみたいなのに襲われたり、あのシーンはかなり悪趣味でしたね……。
ヘタなホラーよりもグロテスクなので、虫が苦手な人は見ない方がいいかもしれません。

まあとにかく、笑えるシーンも気持ち悪いシーンも一生懸命ですよ、ピーター・ジャクソン監督は……。


後半は、ドリスコルがアンを救い出し、コング捕獲作戦が描かれます。
そして3分の2ほどが過ぎた所でようやくコングがニューヨークへ……。
デナムによって「キング・コング」として見世物にされるコング。しかし案の定、暴れだして街を混乱させます。

アンはもう完全にコングの味方。自らコングの元へと向かいます。
1933年のオリジナル映画では、アンは最後までコングを拒否していたらしいんですけど、今作ではアンとコングの間に愛にも似た感情が芽生えるんですね。
もしかしたら、女っていうのはやっぱり自分を守ってくれる強い男を必要としているのかもしれない……。
男としてコングのように強くたくましくあらねばならないとちょっと思いました。
だって、美女のピンチに颯爽と(?)現れるコング、イケメンすぎるやろーー!

軍の攻撃にさらされたコングはアンを連れてエンパイア・ステート・ビルを登ります。
長かった……、いや本当にここまで長かった……。
物語は悲しい結末が待っていますが、実にいろんなエピソードで盛り上げてくれたエンターテイメント作品だと思います。

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あと、やはりこの映画はナオミ・ワッツの魅力ですねー。
彼女を3時間じっくり堪能できる映画は他にないですからね。(ないですよね?)
僕にとっては、そんな嬉しい発見もできた作品となりました。
虫に耐えられる人にはオススメです(笑)