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スチームボーイ (2004年、日本)

【ジャンル】
劇場アニメーション/SFアドベンチャー
【監督】
大友克洋
【声の出演】
鈴木杏 (レイ)
小西真奈美 (スカーレット)
津嘉山正種 (エドワード)
中村嘉葎雄 (ロイド)
児玉清
沢村一樹
斉藤暁
寺島進

感想 (2013年1月17日、DVDにて鑑賞)

大友克洋月間の3本目。(←勝手に興味持って立て続けに鑑賞しただけですがw)
制作に9年、総制作費24億円をかけた大作アニメーション……の割に評価は低い映画ですね。
個人的にもこれはつまらない部類の劇場アニメだと思います。


舞台は19世紀のイギリス。ロンドンで万国博覧会が開かれようとしていた頃、少年レイの下に科学者の祖父から謎の<スチームボール>が届けられます。
膨大なエネルギー(圧力?)を封じたスチームボールを狙って現れたオハラ財団。
レイは、オハラ財団の築いたスチーム城で、祖父と袂を分かち、科学を妄執する父親と再会するのでした。


主要なキャラクターにプロの声優を起用せず、俳優でかためられた本作。
俳優のアフレコ挑戦については僕は寛容に考えてるつもりですが、本作はさすがに批判も納得でした。
ただ、俳優の演技が悪かったわけではないし、評価すべき俳優さんもいたと思います。

まず、主人公の少年レイの声を担当したのは鈴木杏。
予告編を見てもらえば分かるんですが、もう誰が見てもキャラに合ってなくて、実際本編でもその不安を払拭できませんでした。見てる間に慣れてしまう、ということはなかったです。
13歳という設定で女優さんに声をアテさせるのはさすがにどうかと……。
声変わり前の、10歳くらいの児童に見えました。…の割に顔は老けてる(笑)ので混乱しましたよ。

一方、小西真奈美が演じたスカーレットはなかなか合っていたと思います。
一応ヒロインなんだけど、ステレオタイプな高飛車お嬢様をずっと貫くキャラクターなので、いわゆる可憐なヒロインとは別物。
アニメのヒロインに期待すべきことを期待しても裏切られるので、早々に見切りをつけてしまえば、そのブレない性格がけっこうキャラ立ちしてると思います。

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物語は、序盤はワクワクするんだけど、だんだんつまらなくなっていきますね……。
13歳の少年が、祖父と父親の間で板挟みになったり、信じた大人に利用され裏切られたり、大人の身勝手さが溢れていてあまり好きになれませんでした。
そういう中でも主人公が信念を持って行動するならまだいいんだけど、主人公は動揺するばかりでブレまくりでしたね。

最終的には、暴走を始めた父親との闘いになっていくんですが、その頃には物語にキレがなくなっていて、もうどうとでもなれという感じ。
蒸気とブリキと鉄に溢れた世界はそれなりに面白かったですが……。

あと、お父さんグロテスク……。