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ブロークバック・マウンテン (2005年、アメリカ)

感想 (2013年1月24日、DVDにて鑑賞)

アン・リー監督作品2本目にはこれを見ました。
男性同士の20年に渡る愛の物語を描いた衝撃作「ブロークバック・マウンテン」です。

主役となる二人のカウボーイを演じるのは、「ダークナイト」のジョーカー役が有名なヒース・レジャーと、「ミッション:8ミニッツ」のジェイク・ギレンホール。
共演には、「ブルーバレンタイン」のミシェル・ウィリアムズや、「レ・ミゼラブル」のアン・ハサウェイなど……。


物語は1960年代のワイオミング州ブロークバック・マウンテンから始まります。
山の中で羊の放牧を管理する季節労働者として雇われた二人の若い男、イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。
二人は山深くでの過酷な毎日を通して友情を深め合いますが、ある夜、酔った勢いで衝動的に肉体関係をもってしまいます。

最初は戸惑ったものの、その後もお互いを求め合う彼ら。
しかし、夏の終わりと共にブロークバック・マウンテンでの日々は終わり、二人はお互いの人生へと戻っていきます。
イニスは許嫁と結婚し家庭を持ち、ジャックもまた結婚し、妻の父親の事業を手伝うようになりますが……。


まあ、衝撃作ですよね。ええ、そりゃあもう……。
同性愛をリアルに描き、アカデミー賞のみならず数々の映画賞に輝いた作品です。
前半のジャックがイニスを誘って二人で行為に耽る様子はアラアラ……(^◇^;)という感じ。

あれって、山奥での禁欲的な生活の反動でもあるんでしょうね。
毎日、山と空と羊しか見ない生活では性欲の対象も幅広くなるのかも……。
個人的にはあまり共感はできませんでしたが。

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この映画の本題はむしろ山を下りてからで……。
山の中では解放的に自由に愛し合っていた男たちが、山を下りると世間体というものに縛られ、ゲイであることを隠さなければならないんですよね。
60年代は今よりも同性愛に対する風当たりが何倍も強かったようで、ゲイであるせいで住民からリンチされついには殺されてしまった男の話も語られます。

今でも同性愛に対する目は充分厳しいですよね。
まず周りから奇異の目で見られるだろうし、僕自身もやはり奇異の目で見てしまうと思います。僕の周りにゲイであることを公言してる人はいないので、実際にそういう人と出会った時にどんな反応をするのか分かりません。

国内のTVでは、オカマキャラとかオネエキャラというのはだいぶ当たり前になってきましたけど、逆に見世物になってしまってるんですよね。嘲笑の対象なんですよ。けして国民の理解が深められてるわけじゃない。
やはり欧米とかと比べると、日本は遅れているというか、旧時代的なのかな、と思います。


さて、お互いに惹かれ合いながらも一旦は別れたイニスとジャックは、4年後に再会を果たします。
熱く抱き合う二人。ここまではまだいい。
しかし、次の瞬間二人は激しくキスを交わし始めてしまいます。
あの山での一夏の経験が、蘇ってしまった一瞬。またもやアラアラ……(^◇^;)です。

彼らはその後も度々、二人きりのキャンプを楽しむようになりますが、逆にイニスが築き上げた普通の家庭は崩壊していきます。
そして、いつまでたってもイニスとジャックが本当に結ばれることはありません。
お互いに愛し合いながらも、社会が、道徳が、宗教が、彼らの愛を認めようとしません。

ここまでくると、もはやこの映画は同性愛の苦悩を描いたわけではないという感じもしてきます。
つまり、マイノリティーであるが故に、自分を偽り続けなければ社会に受け入れてもらえない人々、思うままに生きられない人々、それらを描いた作品なのではないかと。
そういう意味では、単なるゲイの映画ではなく、実は誰にでも共感できる部分がある映画なのかもしれないです。

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腐女子とかBLとか盛り上がってますけど、ああいう美少年・美青年同士の恋愛は所詮その美しい一瞬を切り取って描いているにすぎません。
イニスとジャックのままならない20年間を見ることで、本当の同性愛者がどのような苦労を強いられるのか、少しは理解できるかも。
腐女子の皆様には、現実の厳しさを知った上で妄想の世界を楽しんで頂きたいものですね(←何様w)