ベスト・キッド (2010年、アメリカ/中国)

【ジャンル】
アクション/ドラマ/スポーツ(?)
【監督】
ハラルド・ズワルト
【出演】
ジェイデン・スミス(ドレ・パーカー)
ジャッキー・チェン(ハン)
タラジ・P・ヘンソン(シェリー・パーカー)
ルーク・カーベリー(ハリー)
ハン・ウェンウェン(メイ・リン)
ワン・ツェンウェイ(チョン)
ユー・ロングァン(マスター・リー)

あらすじ

母親の仕事の都合でデトロイトから北京へと引っ越してきた少年ドレ・パーカー。引越し早々、中国人の女の子メイ・リンと仲良くなるが、それを快く思わない地元の少年たちに絡まれてしまう。カンフーを習っている地元の少年たちにドレはかなわず、逆に手痛い報復を受けてしまう。そんな時、パーカー親子の暮らすアパートの管理人・ハンがカンフーの使い手であることを知ったドレは、ハンにカンフーの教えを乞うが……。

感想 (2012年9月16日、TV録画にて鑑賞)

ジェイデン・スミス(ウィル・スミスの息子)を主人公に、ジャッキー・チェンを師匠役に据えたカンフー・ドラマ。
師弟の絆・親子の絆……王道を行く作品ですね。

ちなみにこの作品は1984年公開の「ベスト・キッド」のリメイクです。僕はオリジナルは未見ですが、どうやらオリジナルではアメリカ人の若者に日本人の師匠がカラテを教える話のようです。
その名残りでリメイクにあたる今作の原題も「THE KARATE KID」のままなんですね(笑)
(過去の名作のリメイクであることを広く知ってもらうために原題を変えなかったのかな?)


主人公には、もう「○○の息子の」って説明を省いてあげたいくらい知名度を勝ち取ってきたジェイデン・スミス。
まだまだ小さい体ながら鍛え上げられていて、12歳の少年が鏡の前でポーズを決めるシーンはなんだか奇妙な光景でした。

アパートの管理人・ハンさん役にはジャッキー・チェン。
今回のジャッキーはクシャクシャの笑顔も無いし、トホホな泣きっ面も無いし、「うわあああ~」っていう情けない声もありません。
妻子を失った孤独な男という役でとても抑えた演技だったからか、「ジャッキーも老いたな~」と感じてしまいました。
その普段のショボくれた感じと、カンフー修行中の眼光の鋭さのギャップが良かったです。

あと、ドレの母親役でタラジ・P・ヘンソンという肝っ玉母さん系の女優さんが出てるんですが、木の実ナナに似てるということで家族で意見が一致しました。
さらに、山の上の寺院で蛇とにらめっこする女性修行者が深津絵里に似てると思ったんですが、これについては家族の同意を得られませんでした(笑)

ドレの知り合う女の子メイ・リンは、好みが分かれそうですが、でもまあこのくらいの歳の女の子つかまえて「可愛い・可愛くない」言うのは無粋です。
っていうかこの子、行動が可愛くないですか?
バイオリニストを目指しているお嬢様なんですけど、ドレと約束した七夕祭りの会場におめかししてくるんですよね。緑のドレスですよ!もう立派にオンナですよ!
あと、ゲーセンのダンス・ゲームでレディー・ガガの曲に合わせて完璧に踊りだしたりとかギャップがすごい。ディスコクイーンですよ!!
(あんまり書くとロリコンだと言われるのでここでやめときます)

ドレとメイ・リンの年齢って日本で言えば小学校高学年くらいなんですが、まさしくピュアな関係が描かれていて楽しく見れました。
親の邪魔が入って……という展開もあったりとか、ドレとハンさんの関係と同じくらいの比重をドレとメイ・リンのパートに持たせていたのはよかったと思います。


ただ、やっぱり物語の中心となるのはドレとハンさんの修行。
思わず震えたシーンがあったんですが、それは、ハンさんにわけの分からない反復動作をやらされていたドレがいつの間にかカンフーの「型」を体得していた、というシーン。

ジャケットを脱いだり着たりということをやらされた時点で「この動きがあとあとカンフーに繋がっていくんだな」ってことは薄々分かっていたんですが、実際はとても見事なシーンでした。
分かっていたはずなのに驚きがあったし、そこで初めてハンさんの本気とドレへの愛情までも感じることができたんです。あのシーンのジャッキーはすごくイイ♪
音楽の効果、加速していく動き、画面から溢れでてくる師弟愛……。その後もいろんな修行シーンがたくさん出てくるですが、一番好きなシーンはこれです。

あと、落ち込むハンさんにドレが修行をせがむシーンもいいですね~。
竹でお互いの手足を繋いで動きを体に覚えさせるという修行なんですが、それを使って、毎年同じ日に腑抜けてしまう(らしい)ハンさんをドレが外に連れ出すシーン。
ハンさんも泣くのをやめてドレに稽古をつけますが、このシーン、むしろハンさんの方がドレに動かされていたのかも。ドレから何かを受け取っていたのかも。
壁に映る二人のシルエットが美しいですね。

物語はハンさんの辛い過去などにも触れながら、終盤のカンフー大会へ。
そこでドレはいじめっ子の少年と対決することになるわけですね。

子どもの大会なんですが、いろんな流派の使い手がチラホラ出てきて「へえ~中国ってやっぱりすごいな」と素直に思いました。(脚色された部分もあるでしょうけど)
特に髪の毛逆だってた男の子!あんないいキャラを終盤のヤラレ役に使うなんてもったいないですよ!彼は修行中のドレの前にライバル的存在として登場させてもよかったかも。

まあやっぱり終盤でも一波乱あって盛り上がるんですが、もうそこでは結果(ハッピーエンド)を出すしかやることないので、あまりグッとはこなかったですね。


全体的に見るとよくあるサクセス・ストーリーで、その中で描かれる布石や葛藤も(映画の展開としては)ありふれたものなんです。
ジェイデン・スミスとジャッキー・チェンという二つの才能の融合を除けば、どのエピソードも結果の予想できるものですし、オリジナルに忠実だというので脚本も20年前の筋書きの踏襲だということになります。

でも、それでも面白く――好感をもって見れたのは、この作品が「修行」をしっかり描いているから。
「ドラゴンボール」などの少年漫画でも、修行を描く作品は面白いです。逆に、最初から主人公最強!みたいな作品はあんまり好きじゃないんですよね^^;(例外はありますけど)

やはり、壁にぶつかってそれを乗り越えるというのが物語の醍醐味。
それをユニークな修行で描いたこの作品は、物語が多少ベタでも面白いのだと思います。