e513bbae.jpg

脳内ニューヨーク (2008年、アメリカ)

【ジャンル】
ドラマ
【監督】
チャーリー・カウフマン
【出演】
フィリップ・シーモア・ホフマン(ケイデン・コタード)
サマンサ・モートン (ヘイゼル)
ミシェル・ウィリアムズ (クレア・キーン)
キャサリン・キーナー (アデル・ラック)
エミリー・ワトソン (タミー)
ダイアン・ウィースト (ミリセント・ウィームズ)
ジェニファー・ジェイソン・リー(マリア)
ホープ・デイヴィス (マドレーヌ・グラヴィス)
トム・ヌーナン (サミー・バーナサン)

あらすじ

ニューヨークに住む劇作家のケイデン・コタードは、最近の体調不良と妻や娘との不仲に悩んでいた。そんなある日、才能ある人物に贈られるマッカーサー・フェロー賞を受賞したとの一報が舞い込む。その莫大な賞金を使って新たなプロジェクトに挑むケイデン。それはスタジオの中にもう一つのニューヨークを作り、現実の自分を演じるという前代未聞の創作劇だった。やがて現実と虚構の中でケイデンは苦しみ始め……。

感想 (2012年2月11日、TV録画にて鑑賞)

難しい……わけわからない……。

「マルコヴィッチの穴」「エターナル・サンシャイン」の脚本家として知られるチャーリー・カウフマンの初監督作品。
主役の劇作家をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じてます。
邦題が面白いので気になっていた作品ではありました。


物語は、ある演出家が自分の人生を演劇を通して表現・反省していくというもの。
体の不調と妻子との別居で私生活に関して落ち目のケイデンは、「天才賞」とも呼ばれるマッカーサー・フェロー賞を受賞し手に入れた50万ドルという大金で、大勢の役者を使った大・群像劇を試みます。

そこではエキストラは存在せず、全員が主人公。
そしてケイデン自身もその中で自分を演じていきますが、それが逆にケイデンの精神を蝕んでいきます。
ケイデンを演じる役者と、他者に演じられることで変化する現実のケイデン……。
そのケイデンを作品に反映させることでさらに混沌が増していきます。
そしていつの間にか、劇は完成を見ぬまま十数年もリハーサルを繰り返している……。

例えるなら、2つのパラレルワールドが重なりあってムリヤリ1つになってしまった感じ?
別世界の自分の存在に自分が影響され、自分が干渉することで別世界の自分も変わっていく……。
やがてケイデンのアイデンティティが揺らぎ出すという物語。

f87193e9.jpg



「難しい」と書いたのは、この珍しい展開の物語が、どこに向かって進んでいるのかまったく分からないからです。
途中から、「ああ、この映画は絶対に終わらないな」という気がしてきます。
いや、もちろん終わらないはずはないんですが、何故か「永久にずっとこんな調子」って感じがするんですよね。
SF的に例えれば、閉じた時間の輪の中に入り込んでしまった物語。ループですよ。

ただ実際にはループじゃなくてスパイラルなので、デフレ・スパイラルの如くグルグル回りながら落ちていって、最後にケイデンは奈落に落ちます。
それが映画のオチになってるんですが……。


まあとにかく理解不能(笑)
思わず思考停止して「これは人生の映画だ!」とか言ってしまいそうですが、ただの人生の映画ではないことはかろうじて分かります。

作家は人生の切り売りだという話を聞いたことがありますが、「人生の完売」はよくないです。

よくこういうのTV放映で流したよね、深夜とはいえ。