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『バイオハザードIV アフターライフ』(2010年、アメリカ)

原題:Resident Evil: Afterlife  監督: ポール・W・S・アンダーソン  製作総指揮: ヴィクター・ハディダ、マーティン・モスコウィック  製作: ポール・W・S・アンダーソン、ジェレミー・ボルト、ドン・カーモディ、ベルント・アイヒンガー、サミュエル・ハディダ、ロバート・クルツァー  脚本: ポール・W・S・アンダーソン  出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター、ウェントワース・ミラー  音楽: トムアンドアンディ  撮影: グレン・マクファーソン  編集: ニーヴン・ハウィー  製作会社: コンスタンティン・フィルム、Impact Pictures  配給:スクリーン・ジェムズ、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント  上映時間: 97分  製作国:イギリス/ドイツ/アメリカ  前作: バイオハザードIII

【あらすじ】
ラクーンシティの壊滅から13年後、T-ウィルスは世界中に蔓延し、日本・東京も荒廃して久しかった。しかし、アンブレラ社は渋谷の地下に巨大な要塞を築き、ウェスカー議長の指示の下で実験を繰り返していた。
その地下要塞をある日、T-ウィルスを取り込み超人的な能力を手に入れたアリスが襲撃する。彼女が引き連れていたのは彼女自身のクローンたちであった。



【感想】
(2011年1月1日、DVDにて鑑賞)

TV録画で復習した1~3作目までのストーリーを忘れないうちにと思い、半年以上ぶりにGEOで借りてきました。
まあ、ある程度予想はしていましたが、今までで一番つまらない出来ではないでしょうか?


「I」「II」からは13年、「III」からは5年の月日が流れました。
今回のストーリーは結局なんだったのかと考えれば、思いつく言葉は“回収”と“布石”。

まず、“回収”。
2作目のラスト~3作目でサイキック能力を発揮したエスパー・アリス。収集がつかなくなりそうだったので、今作ではエスパーから普通の女の子に戻ります。と言っても、もと特殊部隊隊員という肩書きは生きてるので、相変わらず強いですが。
そして3作目で目的地として示されていたアラスカにあるという安息の地“アルカディア”。アリスはこの地にも訪れ、そんな楽園は無いということを確認します。ついでにこのとき、「III」で別れたクレアを回収(笑)クレアは何者かに酷い目に合わされ、なんと5年もサバイバルしていたみたいですが、そんな酷いことをする“何者か”なんて、あの会社しかありえません……。

そして、“布石”。
と言っても、こちらはそんなに重要なことではありません。単に「次回に続きます」的な意味合いでした。
しかし、今までのラストシーンと違って、すぐ目の前まで敵が迫っている状態でのTo Be Continued...でしたので、非常にモヤモヤした内容の映画です。次回作「V」では5分後の世界が描かれるわけですか!?
partIとかpartIIとかなら、ああいう繋げ方も分かるんですが……。しかもミラジョヴォはしばらく育児休暇とるとかって、あれだけ差し迫った状況で主役交代ですか?(・.・;)


映像の面ではハイスピードカメラを使いたいという気持ちが痛いほど伝わってきました。
冒頭の雨の渋谷で中島美嘉から滴る水、シャワー室での水滴のひと粒ひと粒、投げられたサングラスに映る主人公たちの顔……。
ハイスピードカメラで撮られた鮮明なスローモーション映像がこれでもかと出てきます。
そして3D公開を意識したであろう、観客に向けて飛び出すかのように画面を動くアイテムの数々……。
あまりにも同じような演出が続くので、すぐに飽きます。

スローモーションが効果的だったのは、冒頭の中島美嘉のシーンだけでしょう。
他のスローはスピード感を損なってるだけの“スーパースローの安売り”でした。


とにかく刺激不足な内容でした。
登場するクローンの人数が「III」のラストから考えると絶対に少なすぎます。“数vs数”みたいな攻防が見たかった。ミラジョヴォに忍者スーツを着させているあたり、監督の遊び心が見受けられますが、遊びならとことんやってほしかった。数百体のクローン・アリスとアンブレラ社の全面対決……(*´∀`)ミターイ
せっかく刑務所という閉鎖空間が舞台なのだから、研究施設が舞台の「I」のような展開もじっくり描けたはず。でもすでにゾンビは一般人にしか見えず(「III」あたりからそうです)、どんな新種のモンスターが出てきても「ふーん」という驚きしかないんですね。

この映画のウリは何なんでしょうか?この映画の何を楽しめばいいんでしょうか?
こんな映画でも続編がある。それが一番刺激的なことでした。