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「バベル」(2006年、アメリカ)

原題:Babel  監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ  製作:スティーヴ・ゴリン、ジョン・キリク  脚本:ギレルモ・アリアガ  出演者:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子  音楽:グスターボ・サンタオラヤ  撮影:ロドリゴ・プリエト  編集:ダグラス・クライズ、スティーヴン・ミリオン  製作会社:メディア・ライツ・キャピタル  配給:ギャガ・コミュニケーションズ  上映時間:142分

【あらすじ】
モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が、突然何者かによって銃撃を受け、妻が負傷するという事件が起こる。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊地凛子)は、満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしていた……。



【感想】
(2011年1月9日、TV録画にて鑑賞)

お正月からこんなの流すなんてどうなってる!?(笑)
しかも一部の内容がきわどくてカットされてるじゃないか!(怒)


人々が自らの限界を知るため、天まで届く塔を建てようと頑張っていたら、それをよく思わない神様が、人々に別々の言葉を話させるようにして作業を中断に追い込んだ……それがバベルの塔の物語。
いつだって、この世は神様の胸先三寸なんですね。

そんなバベルの塔をタイトルに持ってきた映画「バベル」。
コトバが通じない――転じて「ココロが通じない」世界を4つの視点から捉え、時間をバラバラにしてしまった映画です。

父親から羊を襲うジャッカル退治のために猟銃を手渡されたモロッコ人の兄弟。
モロッコを旅行していた最近うまくいってないアメリカ人夫婦。
アメリカ人夫婦が事件に巻き込まれたために、幼い子供たちから離れられなくなってしまったベビーシッターのメキシコ人。
モロッコ人に猟銃を譲り渡した日本人のハンターと、母親の自殺によって心に大きな穴が開いてしまった聴覚障害をもつ娘。

この4者の視点が、一丁の猟銃によってかろうじて繋がり、独特な寂しさ、孤独感、無力感の中で描かれていきます。

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テーマとかはとても面白く興味深いですけど、とにかく暗い……。
どこにも救いが示されない、とことん登場人物に厳しい映画です。
アメリカ人夫婦を襲った凶弾が、テロリストのものではなく、アメリカと友好関係にあり、治安も経済も安定している日本人が持ち込んだ物だった――というのは皮肉ですね。

どうやらいつものように雰囲気だけを味わうのでは、この映画の良さは分からないみたいで……。
難しい映画です。分かりづらい。
細かいところではモロッコ旅行中に狙撃されてパニック状態に陥るアメリカ人たちに違和感です。瞬時に「これはテロだ!」と断言できるような危険地帯に、なぜに“観光”に来てるのか?


まあ、音楽とかはダイレクトに耳に入ってくるので、この映画を少しでも理解したくて(否、中古で安かったので)サントラを買っちまいました。
音楽監督グスタボ・サンタオライヤの深いギターの音色、メキシコの陽気なラブソング、そして坂本龍一のピアノ曲がやっぱりスンバラシイ。
でも、サントラもなんだか全体的に暗いですね……(笑)