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「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009年、日本)

監督:佐藤東弥  製作総指揮:奥田誠治  脚本:大森美香  出演者:藤原竜也、天海祐希、香川照之  音楽:菅野祐梧  主題歌:YUI「It's all too much」  撮影:柳島克己  配給:東宝  上映時間:129分

【あらすじ】
自堕落な日々を送る26歳のフリーター伊藤カイジ(藤原竜也)は、友人の借金の保証人になったために多額の負債を抱えてしまう。そんな彼に金融会社社長の遠藤(天海祐希)は、一夜にして大金を手にできる船に乗ることを勧める。その船で奇想天外なゲームをするはめになったカイジは、人生を逆転するための命懸けの戦いに挑む。



【感想】
(2011年1月29日、TV録画にて鑑賞)

ざわざわ……ざわざわ……、これ、つまんなくねーか?ざわざわ……。

うーんなんだろう?高層ビルの間に架けられた鉄柱を命綱なしで渡るシーンとか、本当は(善良な視聴者なら)ハラハラドキドキしながら見なくちゃならんのでしょうが、鉄柱の上でイイ話はじめた“命懸け”の人たちに笑いがこみ上げてきてしまいました。
「あ゛ーーーー」とか言いつつ落ちていかれても……。全然驚きも同情もなく流してしまう僕はなにか人として大事なものが欠落してるんじゃないかと、逆に不安になります。

そもそも、夜の高層ビル群の映像が暗いっていうのもマイナス要素で、「底の見えない怖さ」以前に「よく見えなくてインパクト薄」なんですよ。
真昼の渓谷でバンジージャンプの方がよっぽど映像的にはドキドキするんじゃないかな。

さらに、シンプルに命懸けて渡りきったその先に待っていた最終決戦が、カードゲーム……。
しかもラスボス(香川照之)はイカサマ使って勝とうとするし……。


イカサマ使ってでもズルしてでも勝ったヤツが勝者――、負け犬は勝つまで負け犬――、不公平を呪ったところで状況は好転しない――、それが社会の真実――、そういった実際的な主義がこの作品の根底に流れているのかもしれないけれど(そういうところは評価♪)、頭脳戦と見せかけておいてただのイカサマだったというのは、視聴者的にはガッカリの極み。
イカサマを見抜き、それを乗り越え勝負に勝った主人公はすごいと言えなくもないけど、乗り越えたものがしょせんイカサマでは……(汗;

タイトルを「カイジ イカサマ逆転ゲーム」として、イカサマ師をやっつけていくストーリーなら、素直に楽しんだと思いますが……(適当に言ってます;)


藤原竜也の演技については実に藤原竜也的な演技でした。
ずっと巧いと思ってたけど、イメージが固定しすぎて飽きてきた感はあります。
青筋たてて喋らせたら若手NO.1の実力者です。でも、そればっかりじゃ飽きてくる。初めて見る映画なのに、どこかで見たような気がしてきます。


そもそも人気コミックの実写映画化で、テレビ局も協賛し、それなりの収益は最初から約束されてるという、どう考えても「勝ち組」が製作した映画です。
今年秋の続編も、結局は「どんなつまらない内容の映画でも、興収上げれば勝ち」という実際的な考え方で製作されたんでしょうね。
なんか、ひどく厳しい意見になってしまったけど(;・∀・)

ざわざわ……。言い過ぎじゃねえか?ざわざわ……。