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「コンフェッション」(2002年、アメリカ)

原題:Confessions of a Dangerous Mind  監督:ジョージ・クルーニー  製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ、スティーヴン・エヴァンス、ジョナサン・ゴードン、ランド・ラヴィンチ、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン  製作:アンドリュー・ラザー  脚本:チャーリー・カウフマン  出演者:サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ  音楽:アレックス・ワーマン  撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル  編集:スティーヴン・ミリオン  配給:ミラマックス、ギャガ=ヒューマックス  上映時間:113分

【あらすじ】
ABC放送の臨時職員として働いていたチャック・バリス(サム・ロックウェル)は、今までにない新しいTV番組を作ろうと考えるが上手くいかない。そんな彼の前にジム・バード(ジョージ・クルーニー)と名乗る謎の男が現れる。男はチャックにある仕事を持ちかける。その仕事とは、CIAの秘密工作員となって、合衆国にとって邪魔な存在を消していくというものだった。



【感想】
(2011年5月21日、TV録画にて鑑賞)

「デート・ゲーム」「ゴング・ショー」といった大人気TV番組を作り上げた名プロデューサー、チャック・バリスの自伝的小説をもとに、俳優ジョージ・クルーニーが初めてメガホンを取った映画。

「自伝をもとに」と聞くと実話だと思って見るのが普通ですが、この映画に限っては「これを実話だと信じるほうがどうかしている」という内容(笑)
なんとチャック・バリスは、TVプロデューサーとして活躍する傍ら、CIAの工作員となり、米政府の敵を暗殺していた!というのです。33人も殺したらしいっ!?
早い話、かつて名プロデューサーだった著者が自身の過去すらもプロデュースし始めた、ということなんでしょうが、映画の中では、無理に事実ぶったりせず、逆にトンデモ話とも描いていないので、普通の(フィクションの)映画としてそれなりに楽しめてしまいました。


初監督のジョージ・クルーニーの手腕についてはよく分かりませんが、作品の中で時々出てくる虚像実像入り乱れた映像は割と面白かったです。
例えば、家の電話に出ると通話相手のオフィスが家の中に現れ、お互いが同じ空間で喋っているようなシーンとか。
そういう“遊び心”的なものがもっと散りばめられていても良かった気がするけど、題材が“殺し屋”だからなあ……。遊びすぎるのもまずいかなあ……。

最初こそ、殺し屋の顔のシーンでもコミカルだったりしますが、だんだん表と裏の切り替えがキツクなり、ついには、ドラッグでも求めるかのように「殺しの仕事をくれ」とか言い出します。
序盤は際立っていた表裏のギャップが曖昧になっていき、中盤以降は「表の顔」こそ「仮面を被った裏の顔」という感じがしてきますね。
そこらへんを見る側が楽しめるかどうかなんですが、イマイチふわふわしてるんですよね……。


チャックにベタボレの恋人役でドリュー・バリモアが、CIAの女スパイ役でジュリア・ロバーツが出てきて、それぞれイチャイチャ&ドロドロするんですが、なんかもうそのへんは書くのめんどいからいいや(笑)

ちなみに、“Confessions”とは「告白」とか「自供」の意味ですが、昨年日本でヒットして早々にハリウッドでリメイクが決定したっていう中島哲也監督の「告白」こそ、“Confessions”が相応しいと思うんだけど、あれって英題はどうなったんでしょうか?