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「ゲド戦記」(2006年、日本)

監督:宮崎吾朗  脚本:宮崎吾朗、丹羽圭子  製作:鈴木敏夫  声の出演:岡田准一、菅原文太、手嶌葵、田中裕子  音楽:寺嶋民哉  主題歌:手嶌葵  撮影:奥井敦  編集:瀬山武司  製作会社:スタジオジブリ、他  配給:東宝  上映時間:115分

【あらすじ】
多島世界アースシーでは、聖なる生物の竜が共食いを始め、農民は田畑を捨て、職人は技を忘れていくなどさまざまな異変が起こり始めていた。やがて人々が魔法を信じることができなくなったとき、大賢人ゲド(声:菅原文太)は世界のバランスを崩す者の正体を突き止めるための旅に出て、国を捨てた王子アレン(声:岡田准一)と出会う。



【感想】
(2011年8月13日、友人Mの家でTV録画にて鑑賞)

けっこうメチャクチャなお話。
あまりにも酷いので、自宅のHDDレコーダーも録画してくれませんでした(笑)
後日、友達のM宅へ遊びに行ったら、録画してたので、お盆で帰省していたKと3人で見てみました。爆笑ポイントがいくつかありましたよ、なぜか……。


アーシュラ・K・ル=グウィンの小説「ゲド戦記」のアニメ映画化ということですが、原作の第3巻、4巻の時間軸を舞台に、宮崎吾朗監督の独自の解釈をふんだんに織りまぜて作られているようです。
もとより、説明不足・描写不足な映画なんですが、大作ファンタジーの途中から物語が始まるために、原作を読んでないと「なんで?……なんで!?……なんでだよッ!!(# ゚Д゚)」となってしまいます。

そして原作を知る人(及び原作者)にはすこぶる印象が悪いんですよね……。
Yuckeは原作は例のごとく未読ですので、余計な期待も先入観も持たずに見たつもりですが、これはあまりにもちょっと……(汗;


まず「ゲド戦記」なのにアレンが主人公。ジブリ作品には珍しく屈強な男(ゲド)が活躍するかと思いきや、それも中盤までで、終盤は完全に蚊帳の外。クライマックスは実にシンプルに(自然に)少年と少女にクローズアップします。
せめてラスト、ゲドにもう一働きさせてやるべきです。

そのゲドとテナーの過去、ゲドと悪役クモの因縁については、それに基づいたセリフが交わされるだけで、何があったのかまでは原作読まないと分からない作り。それならいっそそんなセリフ言わせるなとも思うけど、初顔合わせでは物語が破綻するかしら?(笑)
村はずれで畑を耕しながら暮らしてるテナーさんが、実はとある神殿の巫女だったとか意外すぎる!?
ゲドの「昔の女」ぐらいにしか思ってなかったのに(;・∀・)

そして、なによりも言いたいのは、
「なんでテルーがドラゴンに(・・?」
……ということ。

そういうフラグありましたっけ?いや、ない。
少女が突然、巨大な竜に変身したのに、周囲もあまり驚いた様子もない……。誰も理由を問いたださない……。
なんなんですか、これ?この世界では女はみんな竜に変身できるんですか??
いやいや、そんな強引な仮定を持ち出さないと説明が付きませんよ。不自然です。

wiki見てたら、竜族の長というのがいて、テルーはその娘だそうです(゚Д゚)ハァ?
それ、映画本編で言いなさいよ(笑)


まあ、しかし、ちょっと調べると大人のしがらみというか、本編と別のところでいろいろ痛い話が出てきますね。
結局、映画「ゲド戦記」の不幸は、20年以上前、まだ世界的には無名だった宮崎駿が原作者に映画化を打診して断られたところから始まるんでしょうか?
結果、時期を失い、監督も別人となり、テーマも時代遅れになってしまいました。

もし、20年前に宮崎駿がこの作品を手がけることになっていたら、「ナウシカ」も「ラピュタ」も「もののけ」も無い代わりに「ゲド戦記シリーズ」があったかもしれないですね。

やるならちゃんと原作の初めからやるか、同じ世界を舞台に2時間でスッキリ終わる話を新たに作って欲しかったです……。




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