「名短篇、ここにあり」

編:北村薫、宮部みゆき
ちくま文庫

【収録作品】
「となりの宇宙人」半村良
「冷たい仕事」黒井千次
「むかしばなし」小松左京
「隠し芸の男」城山三郎
「少女架刑」吉村昭
「あしたの夕刊」吉行淳之介
「穴――考える人たち」山口瞳
「網」多岐川恭
「少年探偵」戸板康二
「誤訳」松本清張
「考える人」井上靖
「鬼」円地文子



【感想】
現代文学の文豪たちの知られざる名短編を集めた短編小説集、だそうです。
僕は読書しないまま大人になった人なので、上記の作家先生の名もほとんど知らないです。
マジで松本清張と小松左京しかわかんない(笑)

つーか、読書感想文書くのも久しぶり……。
「読書の秋」の間、1冊も、1頁も読まなかったすから(笑)


久しぶりに読んだ本は「名短編、ここにあり」という題のノンジャンル短編集。
ともに人気作家である北村薫と宮部みゆきが、悩みながら選び抜いた珠玉の短編……ということらしいですが、もしかしてお二人が「同じ物書きとしての視点」から選んだからか、読書不足の僕にはすべてがすべて傑作とは感じられませんでした(汗)
本当に、ただ「小品」といった感じのものもあるし。

その中で、僕みたいな素人も楽しく読めた作品をピックアップします。



「となりの宇宙人」半村良
主人公が住む安アパートの前に、ある夜、UFOが墜落する。怪我をした宇宙人は住民たちに助け出され、救援のUFOが来るまでの間、独り者の主人公の部屋で静養することに。こうして、宇宙人の“宙さん”との奇妙な同居生活が始まった。

まるで落語に出て来る長屋のような雰囲気の住人たちの中に、ありえない来訪者“宙さん”が入り込んでくる話。
住人たち、宇宙人見てもあまり怖がらないし、警察に知らせようともしないし、行き倒れの人間を助けるかのごとく、自然に宇宙人を迎え入れます(笑)
宇宙人も宇宙人で、おとなしく安アパートに居候しちゃうし、布団で寝起きするし、片思い中の主人公を勇気づけたり(爆)
宙さんがどんな姿形のエイリアンなのかほとんど触れられてないんだけど、たぶん、ボンヤリした顔してるんだろうなぁ~♪



「少女架刑」吉村昭
貧しい家に生まれた少女がある日死んだ。白衣の男たちがやってきて死体を病院へと運ぶ。少女は献体として売られたのだった。やがて男たちが彼女の裸体を切り刻み始めるのを、少女の魂は感じとっていた。

少女の死体の顛末を死体の視点から描いた作品。一番面白かったです♪(←不謹慎)
臓器移植のためにありとあらゆる部分をメスで切り取られる様子を切られてる死体が語るというアイディアもすごいですが、何よりも、人体と解剖の手順について詳細に描かれているのがすごいです。
その辺りのリアリティが、不可思議な設定にも関わらず物語に没入できる理由かも。
グロテスクというよりも、寒気がするほど切ないといった印象の中編。



「考える人」井上靖
若い頃、ふとした事で初めて木乃伊(ミイラ)を見た「私」は、その「考える人」のような姿を忘れられないでいた。時が経って、木乃伊の調査団に参加する機会が訪れ、「私」はかつて見た木乃伊を探しに行くが……。

「コウカイ上人」という名の即身仏を長年探す話。
即身仏になった人って犯罪者が多いみたいですね。
仏門に入れば罪を免れるということで坊主になる人もいたらしい。
「私、即身仏になります」って宣言した後も、死ぬ決心がつかなくて、慈善事業して時間稼ぎしたんじゃないかとか、それじゃ本当に後悔上人じゃん……(笑)



この「名短編、ここにあり」はシリーズ化してるようなので、見つけたら読んでみたいと思います。
読書量増やさないと。