『3時10分、決断のとき』

親父と二人で見たんだけど…良い映画だった♪
「男が泣ける映画」という表現が本当にぴったりだ。





1957年の「決断の3時10分」という西部劇のリメイク作品。
西部劇はほとんど見た事がなく、当然オリジナルも見た事がない。
もちろんこの映画にも興味はなく、昨年の公開当時も無関心。
むしろ、今までは「西部劇なんてただ銃を撃ち合って、最後に主人公が勝つんだろ?」的な偏見さえ持っていたが……。
良い意味で裏切られた♪

結末も面白いし、そこに至るまでの道程が実にスリリング。
常に緊張感があって、飽きさせない。



特に悪役ウェイドの根っからの悪人っぷりが、とにかくデンジャラス。

強盗団のボス、ウェイドを駅まで護送していくストーリーなのだが、護衛が次々とウェイドにやられてしまい、気が付くと資産家と獣医と足の不自由な牧場主とその息子だけになってたりして、狼ウェイドに子羊たちが喰われないかとハラハラドキドキ。

「そいつ(ウェイド)に馬を渡しちゃダメだぁ!」とか、「奥さん、そいつ(ウェイド)と話しちゃダメだぁ!!」とか心の中で叫んでた。


このウェイド、信仰というものを理解した上で、人間の本質は「欲」だと割り切ってるので、非常に厄介な存在。
改心しないタイプの悪党だ。
怪しい目付きが、何かを策略しているように思わせる。


ラストの彼の行動が面白い。何をしたかは言わないが。

いろんな解釈が出来そうだが、悪党のボスなら、強盗団を解散するつもりならば、手下のならず者たちを残らず始末するのは当然とも思える。
生き残りがいれば、平穏に暮らし始めた自分に害を為すとも限らないし、所詮はボスも悪党、宝を独り占めしてもおかしくないだろう。

不幸なのは副リーダーのチャーリーだ。
必死で雑魚らをまとめあげ、ボスを救出するために尽力する姿はなんだか「けなげ」。俺なんかは、ボスとチャーリーはデキてるんぢゃないかと思ってたが……。
うーん、付いて行く相手を間違えたね。
(「けなげ組」に入れてやって欲しい。柿の種の…)



なんだかんだウガンダ言って、ウェイドはエヴァンス親子に負けたんだろうな。
「ダン・エヴァンス」ではなく、「エヴァンス親子」に。
そう考えれば、行動に納得がいく。

そして、ラストシーンの馬。
これは、奴の「それとこれとは別」という意思が現れていたかな。
やはり改心はしてない……?




ダンについては、ウェイドと正反対の男の姿を披露した。
ウェイドが、「欲しい物は奪う」「気に入らない物は捨てる」タイプなら、ダンは「守る」「生きて帰る」派。

しかし、最初は金のために行動していたダンも、最後にはどうやら金だけのためではなくなっていた。
いや、最後まで金にはこだわっていたが……。

「誇り」と言えば、そのとおりで、それまでなのだろう。
だが、そんな分かりやすい言葉で表現したくないし、して欲しくない。
男にしか分からないかもしれないな……この気持ちは。

強いて不器用に言うなら、「自己の可能性への期待」?
いやいや、やっぱり難しいな。





女性陣に見せ場が無い硬派な展開である事も良い。
女性は見ててつまらないかもしれないが、西部劇はそもそも男が強かった時代だ。

こういうカッコいい映画があることは女子には秘密にしておきたいものだ♪