あーなるほど。でも、え?ちょっと待って??
 
 
 
この映画を「おもしろい」と言える人はカッコイイ。
だが、「泣けた」という意見には嘘臭さを感じてしまう。
 
「リバース・ムービー」……意味不明な展開が続き、ラストに謎が収束する。
一度見ただけでは理解できない映画だという。
 
「映画って一度きりの勝負じゃないのか?基本」という疑問もあるが、音楽CDが聴く度に新たな発見があるのと同じ、ということだろうな。たぶん。
 
でも、残念ながら僕には2度見る時間的余裕は無かった。
 
 
 
シンプルな愛の物語だということは分かった。Yahoo!映画のレビューを見て(笑)
 
しかし、なんだか納得できないことがあるのよね。
 
 
ウサギ(けしてカワイイとは言えない形相……)に導かれたことで、死ぬ運命を回避した少年ドニー・ダーコ。
ウサギは彼に28日後の世界の終りを予言し、ドニーは残りの28日間を生きることになる。
しかし28日後、ドニーは再びウサギに出会ったあの夜にタイムトラベルし、死ぬ運命を受け入れることになる。
 
つまり、ドニーは2つの運命を生きたということか?
 
仮に、ドニーが死ぬはずだった運命を「Aルート」、
ウサギの干渉によって生き延びた28日間の運命を「Bルート」と呼ぶことにする。
物語はBルートのみで進んで行き、最後にAルートに戻るわけである。
 
ウサギは、Bルートの終盤でドニーが目玉を撃ち抜いた男である。
目玉を撃ち抜いたからこそ、ウサギはウサギとして存在し得るのである。
 
では何故、Bルートにしか存在し得ないはずのウサギが、
Aルートを生きていたドニーの人生に干渉し、彼をBルートに引きずりこむことができたのだろうか?
 
 
以上のことは、ウサギが実存、または、幽霊のような存在……とにかく、ドニーが作り出した幻の存在ではなかったという前提での話になるが……、精神を病んでいたドニーが作り出した幻だとすれば、ますます話が分からなくなる。
ドニーはウサギの目を撃ち抜く以前に、片目を撃ち抜かれたウサギの幻を作り出していたことになる。
「未来の記憶」がタイムスリップして、過去のドニーの幻覚に作用したかのような……。意味不明(笑)
 
 
 
まあ、熱狂的なファンが多そうな映画ではある。
めちゃくちゃ難解なことを除けば、青春ドラマとしても、なかなかおもしろいし。
 
ただ、最近思うのだが、「初監督作品」と名の付くものは、総じて評価が高いような気がする。
比較する前例が無い、ヘンな期待が無いゆえの「まぐれ当たり」ということも充分にある。
この映画を絶賛する人が言うような「感動」は、少なくとも僕は得られなかったな。
他にない作品ではある。
 
 
一言:ネタバレしても気にならないくらい、理解が困難なSF青春ドラマ。
 
★★★☆☆
 
ドニー・ダーコ/DONNIE DARKO
監督:リチャード・ケリー
出演:ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、メアリー・マクドネル、ドリュー・バリモア
配給:アスミック・エース
2001年、アメリカ
 
2010年6月18日、自宅にて鑑賞。