エグザム (2009年、イギリス)

【ジャンル】
サスペンス/ワンシチュエーション・スリラー
【監督】
スチュアート・ヘイゼルダイン
【出演】
ルーク・マブリー
ジェンマ・チャン
ジミ・ミストリー
ジョン・ロイド・フィリンガム
チュク・イウジ
ナタリー・コックス
ポリアンナ・マッキントッシュ
アダル・ベック
コリン・サーモン

あらすじ

ある試験会場に集まった年齢も人種も異なる8人の男女。世界一の大企業の最終試験に残った彼らに、試験監督から3つのルールが伝えられる。「1. 試験用紙を損なってはならない。 2. 監視員や部屋の外に向かって話しかけてはならない。 3. いかなる理由であれ、退室した者は失格とする。」タイマーのスイッチを押し、部屋を出る試験監督。制限時間は80分。一瞬の沈黙の後、試験用紙をめくる受験者たち。しかしそこには何も書かれておらず、ただの白紙があるのみだった……。

感想 (2010年8月11日、仙台フォーラムにて鑑賞)

なんか釈然としないなあ(PART2)。
いや、すごい面白いのかもしれない。
実際、食い入るように見ていたのは事実。
しかし、なぜか「傑作!」とも「オススメ!」とも言えないんだな、……これが。
 
 
「Exam」とは試験の意味。
試験会場を舞台にした密室劇。シチュエーション・サスペンスというやつか。
登場人物は試験監督と監視員を入れても10人のみ。
 
 
冒頭の、8人の受験者がそれぞれ身支度を整える様子を順番に映していくシーンや、
8人が試験会場に入ってくるシーン(もちろんスローモーションw)はとても印象的で、
試験用紙をちょっとめくってみて、やめてみたり、
試験開始が告げられてから問題にとりかかるまでの息を飲む「間」とかはこちらも息を飲む。
 
そして、白紙の問題用紙にみんな困り果ててしまって、どうしようかな、と思っている「空気」。
あれ、もしかして、監視員や部屋の外でなければ、会話はゆるされてる?ってことに気づき、一人が喋りだして、皆が喋りだすまでの「時間」。そして、あれ?席から立って歩いても平気じゃね?ということに……以下略。
このあたりは、映画の序盤にあたるところだけど、けっこう丁寧に描かれていて見ていて面白かった。
何か、「これから何が始まるんだろう」というまさに期待感に溢れていた場面だった。
 
 
そこからの、謎解きパート。ここはもう加速、加速。ようするに「問題って何?」ってことだね。
時間が80分しかないこともあってか、いろんなアイディアが出ては試し、失敗してはアイディアを出しては試し。
用紙が厚紙で本当によかった♪
 
そして、当然と言えば当然の不協和音パートも並行して進行。
全員バラバラの性格、その中で徐々にテーマがすり変わっていき、クライマックスに向かって一気に突き進む。
疑念・恐怖・偽善・狡猾・懇願・詐欺のオンパレード。(言い過ぎか)
 
で、ついに、緊張感MAXのクライマックス!
「おれは何でもやってみせたぞ!」
大いなる失敗と絶望。
さらに、ようやくたどり着いた「真実」。
 
 
この、「真実」が……。
実にバカバカしくて……。
観る人によっては、「金返せ!」と怒る人も、いるだろうな……。
本当に、終盤まで素晴らしい映画だったのに……。
だから余計に、その「答え」だけは、聞きたくなかった……。
でも……、まっ……たく……予想して……ない……「答え」で……した……、ガクッ。
 
 
SF的な要素がチラホラと出てくるが、密室での人間ドラマを描いているので、SFサスペンスとは言いがたい。
でも、はっきりと、これは現代を舞台にした物語ではないことが分かる。近未来か、あるいは平行世界。
 
だからこそ、「質問の謎」にはSF的な解決策を、「答え」には未来人の発想を求めてみたくなるのだが、
ヘイゼルダイン監督は、「奇妙な採用試験」の存在理由のためだけに未来世界を設定したようだ。
贅沢なことをなさる。
 
 
とにかく、面白い。人物描写とか。ただし、結末についての賛否両論は必然。
友達とあーだこーだアリだナシだ言いたくなる作品。