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ずるいよ、リチャード・ギア……(羨)
 
 
 
『HACHI 約束の犬』(2009年、アメリカ)
2010年8月6日、自宅にて鑑賞。
 
 
 
【あらすじ】
アメリカのとある町の駅のホームで、帰宅途中の大学教授パーカーは、迷子の子犬を保護する。
飼い主が見つかるまで、と子犬を自宅に連れ帰ったパーカーだったが、
次第に子犬が可愛くてしかたなくなり、妻の反対を押し切って飼うことに。
「ハチ」と名付けられた子犬は成長し、いつしかパーカーを毎朝駅まで見送り、夕方になると駅へ迎えに行くのが町の住人たちも知るほどの習慣になっていた。
しかしある日、パーカーは大学の講義中に突然倒れてしまう。
 
 
 
【感想】
1987年の邦画「ハチ公物語」のリメイク作品である。
すごい子供の頃だったが、リメイク元の映画を見たことがあるような気がする。
日本人にはおなじみの忠犬ハチ公の物語を、舞台をアメリカの架空の町に移して作られている。
 
原題や本編内の一部の表示では、何故か「Hachiko」という表記。
邦題では「HACHI」。リチャード・ギアが呼ぶと「ハァ~チィ~」。
明らかに「ハチ公」の「公」の意味が分かってないのが気になるが、作品そのものはとても素晴らしい。
(もしかして、「ハチ公」の「公」と、日本人女性の名前によく付く「子」を同一視しているのかな)
 
 
ストーリーは、リメイク版のオリジナルというものは特に無いようだ。
ただ、舞台がアメリカなので、教授夫妻がベッドでイチャついたり、焼き鳥屋がホットドッグ屋になってたりと、文化の違いは見られる。時代もオリジナルとはかなり違うし。
でも、肝心のハチについては秋田犬で貫いてくれた。
アメリカの風景に意外にマッチしているように僕は思える。
 
 
映画の前半はハチと教授の暮らしぶり。最初は犬を飼うことに反対していた教授の奥さんと次第に仲良くなっていったり、家族の一員としていろんな思い出を作るハチ。
当然、ハチと教授の恋人のような仲睦まじいシーンもたっぷり見れる。
ハチは夕方の決まった時刻になると、駅の花壇に陣取って教授の帰りを待つ。
それを微笑ましく見つめる駅員やホットドッグ屋、雑貨屋の女主人や肉屋の夫婦……。
 
でも、突然の悲劇。教授が帰らぬ人となってしまう。
残された家族は遠い町へ引っ越すが、ハチは新しい家を逃げ出しいつもの駅でひたすら教授の帰りを待つ。
その様子を見つめる町の人々……。今度は顔に笑みは無い。一様に暗い表情。
皆、教授の死を理解出来ない、分かっていても戻ってくることをつい期待してしまうハチの心情を哀れんでいる。
映画の後半は、そんなハチのひたむきな姿が見ていて苦しい。
 
リチャード・ギアの何がずるいって、つまりはこういうことなのだ。
自分は、ハチの飼い主としてハチと遊んだり、散々楽しい撮影現場を満喫しておいて、途中であっさり退場。
その後、脇役の方々は、泣いたり、つらい表情をしたり、暗い演技をして映画の「感動」の部分を作り出したのに……。リチャード・ギアは犬と遊んでたイメージしか無い(笑)ずるいよ、それって!
 
 
 
ちょっと変な解釈だけど、見ていて気になったのは、
「もしかしてハチは奥さんに嫉妬していた?」んじゃないか、ということ。
ハチの主観の映像がしばしば挟まれるのだけれど、それを見ていてなんとなくそう思った。
 
だとすれば、ハチは教授の死をとっくに理解しているんだけど、それでも駅で帰りを待つ理由は……、
「ハチができる唯一の、亡くなった教授への愛を貫く方法」だったのではないだろうか。
ハチは「駅で待つことだけは、奥さんにも負けない」そう思っていたのかもしれない。
愛人の心境か?(笑)もしそうだったら、すげー深い話になるんだけど。
 
 
 
ちなみに、アメリカ制作なのに、当初、公開日は日本が先で、遅れて公開するはずだったアメリカでは結局大規模な公開は無かったらしい。
世界で一番この作品を見ているのは、やっぱり日本人なのだ。
なんのためのリメイクだったのか……(汗;
 
 
一言:動物モノあまり見ないので点数付けられない。
 
★★★☆☆
 
『HACHI 約束の犬』
原題:Hachiko:A Dog's Story
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:リチャード・ギア、ジョアン・アレン、サラ・ローマー、ジェイソン・アレクサンダー、エリック・アヴァリ
配給:松竹
2009年、アメリカ