あっしYuckeは、基本ドラマは見ませんが、週末実家にいるときだけ何故かチャンバラ時代劇を見てしまいやす。
最近見ている時代劇は、NHK「陽炎の辻3」と大河ドラマ「天地人」でごぜぇやす。
放送終了しておりやすが、「浪花の華」(でタイトルあってるか微妙w)もすべて見てしまいやした。

で、今回は去る5月1日に放送された「木枯らし紋次郎」について語ろうってわけで。

21世紀版・木枯らし紋次郎

あっしは、83年の生まれでござんす。
この「木枯らしなにがし」ってぇ時代劇は72年に放送されてたらしぃんでぇ。
当然、あっしは生まれてなんぞおりやせんでした。

長い楊枝を常にくわえて歩き回る無宿渡世人「紋次郎」を、当時は中村敦夫ってぇ俳優さんが演じて人気が出たらしぃんでぇ。
あっしは、もちろんそんなことも知りやせん。
今回は江口洋介兄ィが演じておりやした。

とにかく無口な野郎で。
愛想のかけらもありやせん。
美人の女将さんがお願いしてるってぇのに、「あっしにはかかわりのねぇこって」、この一点張りでさぁ。
野郎!それじゃ話が進まねぇじゃねぇか!!と、あっしは心の中で叫んでおりやしたよ。

しかし、この男、「人情」や「義」は人一倍あるようで。
結局は、貧しい者のためにその刀を振るい、悪を斬る!
か~っ、惚れたぜ!旦那!!

時代劇は親父と見ろ!!

※ここからは口調をもとに戻します。

んで、なんで「時代劇は親父と見ろ!!」なのかというと、親父はさすが、時代劇(他のドラマや俳優についても)をいろいろ知ってるんですよ。
伊達に何十年もテレビの前に座ってないです。(←これ、賛辞ですw)

元祖・紋次郎の中村敦夫さんが、腕が立つ謎の老人に扮して、ごろつきたちをちょいとこらしめる、というシーンがあったんです。
単なる友情出演(特別出演かw)扱いで、その後は出番なし。
新・紋次郎、江口との絡みもまったくなし。
要するに、単に紋次郎ファンへのサービスカットでした。

でも、初めて「木枯らし紋次郎」を見た私は、中村敦夫さんも知らないし、当然かつての主役だったなんて分からないわけです。
そのとき、うちの親父が「この人、昔、紋次郎だった人だよ」と言わなければ、「あのシーンはなんのためのシーンだったの?」となるところでした。

そんなわけで、「親父と見ろ」なんです。
特に、今回のようなリメイク作品を見るときは必須ですね。
一家に一台、親父です。

逆に、若手の俳優さんたちがたくさん出てくるようなトレンディドラマを見るときは、親父は無力ですよね。
たいてい、寝てる。

ハードボイルド?

ハードボイルドという表現があっているか分かりませんが、良く言えば「ハードボイルド」、悪く言えば「暗い」と感じました。
見る人によって感じ方は違うと思いますが、どちらかというと女性より男性の方が好むドラマかな、と。
実際、私の母は72年当時も「嫌いだった」と明言しました。

「嫌い」という理由もよく分かります。
やはり主人公が絶望的に無愛想なんでしょう。
お金を5両あげるからある人を連れてきて、と頼まれても「あっしにはかかわりのねぇこって」。
泊まるところがねぇなら俺が親分に口きいてやるよ、と誘われても「せっかくですが遠慮させてもらいやす」。

あの勝間和代さんは「仕事の9割は断る」らしいですが、この男、無宿渡世人のくせに10割断ります。
そのくせ、何をして路銀を稼ぐかというと、賭場です。博打です。
「深入りはしない」という自分ルールを決めてやってるみたいですが、衝撃でした。
「そりゃねぇだろ」とw

この主人公、アウトローなんですよね。
やはりそこが母に好かれない理由なのかも。
かといって危険な香りがするわけでもないしな。
別に母は、危険な香りのする男が好きなわけでもないし。多分。

さんざん言ってますが、でも紋次郎は絶対にヒーローです。
ギリギリの、なんかもういろいろとギリギリの人にはお金を惜しみなく渡すし、その人の頼みも(いや、頼んでないことも)無料で引き受けちゃいます。
紋次郎自身が、親に間引き(←人減らしのことらしい)されかけた過去があるため、弱者を見ると、自分の境遇と重ねてしまって助けずにはいられないんでしょうね。

んで、助けるからには剣の腕も強い。
これは鉄則ですね。
助けようとした側が助けられてたら話にならないですから。

三度傘をかぶって緑のマント(←すいません、勉強せねば)羽織って戦います。
大勢のヤクザ者相手に。
あの出で立ちは、「風来のシレン」というテレビゲームで飽きるほど見ていたのですが、本物の人間がアレを着て動き回っているのは今回が初めてかも知れないです。新鮮でした。

でも、普通の着物姿と違い、腕や足の捌き具合がちょっと見づらかったですね。
夜だったり雨だったりしてさらに見づらく・・・。

あとさらに、母が嫌いな理由。
ストーリーですが、良い人が少ない上にその良い人が殺されちゃいます。

いや、良い人とか悪い人とか、単純な括りでは言い切れない。
金儲けのために人を殺そうとしたり、貧しさのあまり赤ん坊を殺そうとしたり、道を外しかけた人たちが登場します。
強いて言えば、貧しさから間違う者と、欲望や傲慢から間違う者とに分けることができると思います。
貧しさから間違う者たちは、紋次郎に救われ、道を踏み外さずに済みますが、結局は欲望から間違う者によって不幸な目にあいます。

紋次郎は貧しい者たちのために頑張りますが、どうにもならないことは、やはりどうにもならなかったり・・・。
ハッピーエンドで終わらないところが、母にとっては「暗い」のでしょう。

今、気づいたけど「風来のシレン」も無宿渡世人だな。
私もいつか無宿渡世人になりたいと思います!(オイオイ・・・)

あと、あのやたら長い楊枝は真似すると危険です。
「あっしにはかかわりのねぇこって」というセリフも今の時代ではTPOを間違えると危険ですので、あしからずw
でも、いつか言ってみたいな・・・。