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PS2ゲーム「ラジアータストーリーズ」から、ヒロインのリドリー。
てか、似てねえ。
丸くて目の大きい顔が描けねえ。


実は、ごく最近、中古で買ってクリアした。
BOOK-OFF行く度に目についてはいたのだが、
アタクシ、RPGよりもSRPG派だったものですから、基本。
(最近はRPGとSRPGが互角の戦いを繰り広げています。)

友だちに「最近やって面白かったゲーム」を教えてもらおうとしたら、
「つまらなくて中古で安く売ってるゲーム」を教えてくれて、
それが、これだった。
いわゆる「クソゲー」というやつですね。
ただし、950円で買ったのでゴミ扱いはされてない模様。
あまりに古かったり在庫有り余ってたりすると500円とかで売りますからね。


上で「クソゲー」と書きましたが、私自身は実はそうは思っていない。
というか、クソゲーと評される「グランディア3」や「ローグギャラクシー」を遊んできているので、感覚が麻痺しているのかも。
「バグのあるゲーム」はあっても「クソゲー」は無い、という方針で遊んでます。
まあ一応、買う前にレビューとかを見てますけどね。
でも、レビューを見て買うのを控えたケースは無い。
人間の心理の話で、
「怖いものは、それが何故怖いのかが分かると、怖くなくなる。」
というのを本で読んだことがある。
「クソゲーは、それが何故クソゲーなのかが分かると、クソゲーではなくなる。」
という現象がレビューを見た私の中で起こっているのだと思う。

つーか、私がここで何言ったって、このゲームの評価は変わらないと思うので、
「最高のゲームどえす!」
とは、言わないが、(3年以上も前のゲームだしな)
ただ、キャラクター(女性陣)がカワイイので、
やったら絶対お気に入りのキャラクターが見つかると思う。
(ちなみに私はヒロインのリドリーとフラウが2強だった。)


不可解な点がたくさんちりばめられてあるゲームなんだが、
一番分かりづらいのが物語の核心とエンディングの演出。

(以下、ネタバレになります。って3年も経ってて気にすること無いか?)


「世界の歪みとアルガンダース(疫病)」
「金龍と銀龍が交互に世界を監視」
「金龍が目覚めるとき人間だけが滅ぼされる」
「リドリーが金龍の器としての運命を受け入れる」

以上が、この物語の主要な背景となります。
主人公のジャックは、ぶっちゃけ関係ありません。
リドリーが城も身分も捨て、エルフの長ザインに会いに行くとジャックに告げ、
そのリドリーを追うか、否かで物語が分岐します。
リドリーを追った場合は、妖精編(おそらくこちらが正史)に進み、
ジャックはかつての仲間と戦うことになります。
追わなかった場合は、人間編に進み、龍殺しの英雄ケアンの息子としてときに英雄的な扱いを受けながら、妖精と人間の戦争に関わっていきます。

どちらの場合も、リドリーを金龍の器にするというザインの目論見は、掟に逆らい人間の味方をする銀龍によって阻止されます。
妖精編では銀龍はこのときリドリーを殺そうとするため、ジャックに倒されてしまいます。
人間編ではリドリーを殺すことに成功し、それに怒ったジャックに倒されてしまいます。


大体、こんな話なんだが、疑問に残ったことを下で書きます。



その1

「世界の歪み」ってそもそも何?


この世界の人間の文明は、中世ヨーロッパ程度のもので、蒸気機関も無ければ、電気も無い。
とても自然を破壊したり汚したりしているようには思えない。
唯一、ドワーフ族に鉱物を掘らせたりしているが、それはもともとドワーフの習性的なもので、人間だけのせいにされるいわれは無い。



その2

妖精編で、その後の世界がどうなったのか、分からない。


金龍の復活阻止により、人間が滅ぶ運命は回避できたはず。
しかし、崩れ落ちる金龍城を見てエルフの長ザインは奇声を上げて笑う。
最初は、目論見がかなって笑っていると勘違いしていたが、よく考えると目論見が外れて狂い笑っていたのかもしれない。ザインがアルガンダースに侵されていると本編でふれていたので、理性を失いかけているのかもしれない。

そして、エンドロールの後、誰もいない深夜の人間の町にたたずむジャックとリドリー。
ジャック(エコーのかかった音声で)「行こう。リドリー。」
リドリー(通常の音声で)「うん。」
そして無人の街を歩いていく2人。
ジャックの姿だけが半透明になっていくような気がする。

そう、この「半透明」がポイント。
「透明」ではなく「半透明」。
つまり、ものすごく微妙な変化で、暗がりに入っていったから見えずらくなっただけかもしれない。
ただ、ジャックの声にエコーがかかっているので明らかにジャックはこの世の者ではなくなっている。
なぜか?
人間は結局滅んだのか?
妖精の魂も持ち合わせているリドリー以外、エルフにやられたのだろうか?
深夜なのでみんな寝ているだけ?
それとも崩れ落ちる金龍城から逃げ出す途中でジャックだけ命を落とした?
つーか、どこに行こうとしているんだ?

もう、収拾がつかなくなってくるほどの謎。
金龍の復活失敗で人類滅亡のときは先送りになったはず。
アルガンダースが蔓延し、世界が歪みで満たされ、大地が消滅することになっても、
銀龍が「世界の果てをともに生きよう」と言った意味がなんであれ、
人間にはそれを克服しながらしぶとく生き続ける力がある。
それが歪みを作り出す要因でもあるのだが、
エンディングではまったくその後の人類にはふれられておらず、
「どうぞ、プレイヤーが解釈してください」状態。
せめて、ジャックの声が普通だったら、
「妖精と人間の和平交渉のため城に向かっている」とか勝手に想像するのに。
エコーで話すのは、回想シーンか幽霊かテレパシーだけでしょ?
幽霊なんだよ、絶対。
でも主人公の死って物語の最重要項目でない?
そこを解釈に任せていいんだろうか?



その3

人間編のエンディングでは人間無事じゃん?


妖精編ではその存亡すら危うかった人類。
しかし、人間編のエンディングでは、人類は何事もなかったようにしっかり生きてる。
そして、リドリーを失ったジャックは、その胸には深い悲しみもあるんだろうが、旅支度を整えて町をあとにする。
故郷に帰るのか、新たな土地を目指すのかは分からないが、それなりに幸福そうな終わり方である。
逆に言えば無難な当たり障りのないエンディング。

ただ、どちらも「金龍の復活失敗」と「銀龍を倒す」という2つの大きな共通点があるのに、ここまでエンディングが違うと、いくら物語が分岐しているとはいえ、理解・解釈に苦しむ。
結局、妖精編ではジャックと人間が死に、人間編ではリドリーと妖精が死ぬ。
という解釈でいいのか?トライエースさん。



話のシナリオの大筋はすごい好き。
でも、各エンディングの演出のせいで世界設定やそれまでのシナリオ自体が揺らぎ始めてしまう、ちょっと残念な作品。
でも、やってる最中は面白かったよ。