「空と宇宙のフライトプラン。」


オススメCDの紹介です。

今回は砂原良徳さんの「TAKE OFF AND LANDING」というアルバムを紹介します。

砂原良徳さんは電気グルーヴの元メンバー。「まりん」の愛称でファンに親しまれておりました。

そんな彼のソロアルバムでもあるこの作品を私が知ったのは、映画「ピンポン」のサントラに収録されていた「NO SUN」という曲を聴いたのがきっかけでした。

「NO SUN」のアンダーグラウンドを疾走する感じにハマり、「これが入ってるアルバムはすげぇカッコいいフロアナンバーばかりなんだろなぁ」とDJアルバムのようなのを勝手に想像しながらCD屋へ。

買って、ニコニコしながら帰ってきて聴いてみたら、まるで違いました。

一言で言うなら、「空と宇宙のフライトプラン。」です。

あ、「リゾート」も付け加えておきます。

「TAKE OFF AND LANDING」のタイトルにあるように、このアルバムは「離陸」から「着陸」までのセレブな旅を擬似体験できます。

M1「Infomation of TUA」で近未来の空港の出発ロビーを体験。(TUAとは「東京アンダーグラウンド・エアポート」の略です)

M2では離陸のあと、束の間のファーストクラスに乗れちゃいます。

M3では早くも現地に着き、(おそらく)目的のリゾート地へ向かって首都の幹線道路を疾走します(想像です)。

M4からは、リゾートでのロングバケーションが始まり、美しい浜辺が脳裏に浮かびます。

しかし、永遠に続くかと思われた楽園での生活はM7「Count Down」で突然奪われてしまいます。突如、ロケットの秒読みが始まったのです!

M8では宇宙に投げ出され、星々の間を光の速さで駆け抜けて行きます。(イメージです)

そしてM9で見ることになります。この世で一番美しい景色を。

M10「NO SUN」で再び光速で星間旅行をすると、M11で私たちの住む地球に戻ってきます。そこには人々の営みがあり、それこそが私たちにとっての幸福であることに気付きます。(あくまで私的解釈です)

束の間の安らぎのあと、M14にて電撃帰国。セレブな、ワンランクもツーランクも上の近未来の海外旅行はこうして幕を閉じました。

結局、フロアナンバーはM3、8、10の3曲ですけど、どれも間奏で曲調もリズムもなくなり、テープを巻き戻す音やチャンネルを変えるシーンなどのクセのあるエフェクトが占めているので、純粋にダンスナンバーというわけでもない。

だからアンビエント(環境音楽)と言ってしまっていいと思う。テクノでもハウスでもあるけれど、それ以上に究極のコンセプトアルバムだと思います。これ。上に書いた物語を奏でるためのBGM。

本当に常夏の島へ旅行へ行くとき機内に持ち込めるなら持ち込みたい。



Title/TAKE OFF AND LANDING
Artist/砂原良徳

M1: Information of TUA
M2: Cross Wind Take Off
M3: Magic Sunset St.
M4: SONY Romantic Electro Wave
M5: Sun Song '80
M6: 2300 Hawaii
M7: Count Down
M8: Journey Beyond The Stars
M9: Life & Space
M10: No Sun
M11: The Good Timing of World of Love Song
M12: Summer
M13: My Love is Like a Red, Red Rose
M14: Welcome to Japan